Qi規格とは、ワイヤレス充電における電力伝送・通信制御・安全制御を統一した国際標準規格を指します。
ワイヤレス充電の充電可否および機器間互換判断に関与する適合規格です。
Qi規格が、ワイヤレス充電の使用可否および機器適合判断にどのように関与するかを整理します。
結論(使ってよいか/安全か/問題ないか)
Qi規格は、送電側・受電側双方がQi対応である場合に限り使用可です。
非対応機器との組み合わせでは電力伝送が成立しないため使用不可です。
定義
Qi規格とは、電磁誘導方式によるワイヤレス給電において、電力伝送条件・通信制御・安全制御を統一した無接点充電規格です。
表示位置
Qi対応可否は次位置に記載されます。
- 製品本体表示
- パッケージ表記
- 製品仕様表
- 取扱説明書
- 技術仕様書
表示例:
- Qi対応
- Qi Certified
- Qi Wireless Charging
技術的意味
Qi規格は電力伝送と通信制御の両要素で構成されます。
構成要素:
- 送電コイル
- 受電コイル
- 電力制御回路
- 通信制御回路
- 安全監視回路
電力伝送制御
電磁誘導により電力を無接点伝送します。
制御内容:
- 周波数(Hz)制御
- 出力電力(W)制御
- 結合係数制御
機器間通信
送受電間で認証通信を実施します。
通信目的:
- 機器識別
- 必要電力要求通知
- 出力制御指示
安全制御
次安全制御が組み込まれます。
- 異物検知(FOD)
- 過熱検知
- 出力遮断
ユーザー影響(安全性・性能・リスク)
成立時:
- メーカー混在充電可
- 出力自動最適化
- 異物加熱防止
不成立時:
- 充電不能
- 充電断続
- 発熱増加
注意点・禁止事項・制限条件
成立例(基準構成)
機器:Qi対応
充電器:Qi対応
双方がQi通信認証に対応している場合、電力伝送が成立します。
不成立例①(機器非対応)
機器:非Qi
充電器:Qi対応
受電コイルおよび通信制御が存在しないため、電力伝送は成立しません。
不成立例②(充電器非対応)
機器:Qi対応
充電器:非Qi
送電制御および認証通信が存在しないため、電力伝送は成立しません。
出力制限例(旧規格×新規格)
機器:Qi旧規格
充電器:Qi新規格
この構成では高出力電力伝送は成立しません。
旧規格機器は高出力要求通信に対応していないため、出力は旧規格上限まで自動制限されます。
結果:
- 充電自体は成立
- 充電速度は標準帯
充電自体が成立しない場合
急速不成立ではなく、電力伝送開始自体が行われない場合があります。
コイル位置不一致
送受電コイル中心が一致しない場合、誘導結合が成立しません。
結果:
- 電力伝送不可
- 充電開始不可
金属異物介在
送受電間に金属が存在する場合、安全制御が作動します。
結果:
- 出力遮断
- 充電停止
ケース厚過大
厚型ケースにより結合係数が低下する場合、電力伝送が成立しません。
境界条件
Qi充電は次状態で出力制限されます。
- コイル位置ズレ
- 放熱不良環境
- 高温状態
結果:
- 出力低下
- 充電速度低下
グレーゾーン(動作はするが非推奨)
- 厚型ケース越し充電
- 高温環境
- 放熱不良環境
影響:
- 発熱増加
- 効率低下
不可理由の構造
非Qi機器
→ 認証通信不成立
→ 出力許可不可
→ 電力伝送停止
基本禁止事項
- 非Qi機器への送電
- 金属異物介在状態使用
- 放熱阻害状態運用