電源アダプターや充電器、家電の表示を見ると、
AC や DC という文字が書かれていることがあります。
普段はあまり気にしなくても、
別のアダプターを使いたいときや、機器の裏側の表示を見たときに、
「ACとDCって何が違うのか」
「どこを見ればいいのか」
「この電源を使っても大丈夫なのか」
と迷うことがあります。
直流(DC)と交流(AC)の違いは、
電気の流れ方の違いです。
大きく分けると、
直流(DC)は、電気の流れる向きが一定の電気。
交流(AC)は、電気の流れる向きが一定のリズムで変わる電気。
この違いです。
身近なところでは、家庭用コンセントから取る電源は、
交流100V(AC100V) です。
一方で、スマートフォンやノートパソコンなどの機器は、
内部では 直流(DC) を使います。
そのため、電源アダプターの表示では、
入力:AC100V〜240V、出力:DC○V のように、
ACとDCが両方書かれていることがあります。
この記事では、直流(DC)と交流(AC)の違いを、
電源アダプターや機器の表示を見ながら説明します。
直流(DC)と交流(AC)は電気の流れる向きが違う
直流(DC)と交流(AC)は、
どちらも電気ですが、流れる向きが違います。
直流は同じ向きに流れ、
交流は一定のリズムで向きが変わります。
そのため、機器や電源アダプターの表示では、
DC と AC が分けて書かれます。
直流(DC)は、向きが一定の電気
直流(DC)は、電気の流れる向きが一定の電気です。
身近な例では、電池やバッテリーがあります。
プラス側とマイナス側が決まっていて、
電気は決まった向きで流れます。
スマートフォン、ノートパソコン、USB機器などは、
内部では直流(DC)を使います。
交流(AC)は、向きが変わる電気
交流(AC)は、電気の流れる向きが一定のリズムで変わる電気です。
家庭用コンセントから取る電源は、
交流100V(AC100V)です。
交流では、この向きの変化が繰り返し起こります。
この変化が1秒間に何回繰り返されるかを表すのが、
周波数(Hz) です。
日本の家庭用電源では、地域によって
50Hzと60Hz
に分かれます。
ACかDCだけでは使えるか判断できない
直流と交流の意味だけを見ると、
「DCなら使える」「ACなら使える」と考えたくなるかもしれません。
実際に使えるかどうかは、
ACかDCかだけでは決まりません。
確認するのは、
機器がどんな電源を必要としているか です。
たとえば、同じDCでも、
DC5Vの機器にDC12Vの電源は使えません。
交流の場合も、
AC100V用の機器なのか、AC100V〜240Vに対応しているのかで使える範囲が変わります。
電源を確認するときは、
まず直流か交流かを見ます。
そのうえで、
電圧(V)・電流(A)・周波数(Hz) などの表示を確認します。
直流と交流は使われる場所が違う
直流(DC)と交流(AC)は、
どちらか一方だけが使われているわけではありません。
コンセントから取る電源は交流です。
一方で、スマートフォンやノートパソコンのような電子機器では、
内部で直流が使われます。
つまり、身近な機器の中でも、
交流をそのまま使う部分があるものと、
内部で直流に変えて使うもの があります。
直流(DC)は電子機器で使われる
直流(DC)は、電子回路やバッテリーを使う機器でよく使われます。
たとえば、次のような機器です。
- スマートフォン
- ノートパソコン
- タブレット
- USB機器
- モバイルバッテリー
- ルーター
- LED機器
これらの機器は、内部の基板やICを動かすために、
直流(DC)の電源を使います。
そのため、USB充電器やACアダプターの出力側には、
DC5V や DC12V のような表示が出てくることがあります。
交流(AC)はコンセントから取る電源で使われる
交流(AC)は、家庭用コンセントから取る電源で使われます。
日本の家庭用コンセントは、
交流100V(AC100V) です。
交流のまま使うものとして分かりやすいのは、
熱を出す機器です。
また、モーターを動かす機器の中にも、
交流電源を前提に作られているものがあります。
たとえば、次のような機器です。
- 電気ストーブ
- 電気ケトル
- トースター
- ドライヤー
- 換気扇など、一部のモーター機器
これらは、家庭用コンセントの交流電源を使う前提で作られています。
コンセントに挿す機器でも、中では直流を使うことがある
コンセントに挿す機器が、
すべて交流のまま動いているわけではありません。
テレビ、LED照明、エアコン、洗濯機などは、
内部で直流に変えて使う部分があります。
見た目は同じコンセント接続でも、
中で使われている電気は機器によって違います。
コンセントに挿せるかどうかだけで判断しないようにします。
機器が必要としている電源は、
本体やアダプターの表示で確認します。
ACとDCは記号でも見分けられる
機器や電源アダプターの表示では、
ACやDCという文字だけでなく、記号で書かれていることもあります。
文字が小さいラベルでは、
この記号を見て判断する場面もあります。
交流(AC)の記号
交流(AC)は、波線のような記号で表示されます。
交流(AC)は、波線のような記号で表示されることがあります。
たとえば、次のような記号です。
~
∿
電圧の横にこの記号がある場合は、
交流電源を表しています。
たとえば、
100V ~
100-240V ~
のように書かれていれば、
交流電源を表す表示です。

直流(DC)の記号
直流(DC)は、直線と点線を組み合わせた記号で表示されます。
代表的なのは、次の記号です。
⎓
この記号は、直流電源を表しています。
たとえば、
5V ⎓
12V ⎓
15V ⎓
のように書かれていれば、
直流の電源を示しています。

記号は電圧表示と一緒に見る
記号だけを見るのではなく、
必ず電圧の数字と一緒に見ます。
100V ~ なら交流100V。
5V ⎓ なら直流5V。
このように、記号と数字をセットで読むと、
ACなのかDCなのかが分かりやすくなります。
電源を確認するときは、
文字のAC/DCだけでなく、
~ や ⎓ の記号も見ておくと安心です。
使えるかどうかは表示を見て判断する
直流と交流の違いが分かっても、
それだけで電源を使えるとは限りません。
実際に確認するのは、
機器やアダプターに書かれている表示です。
同じDCでも、電圧が違えば使えません。
同じACでも、対応する電圧や周波数が合っていなければ、
使えない場合があります。
機器本体の入力表示を見る
電源を使う前に、まず見るのは
機器本体や付属アダプターに書かれている入力表示です。
たとえば、次のような表示があります。
入力:DC5V
入力:DC12V
INPUT:AC100V 50/60Hz
ここには、その機器が必要としている電源が書かれています。
機器側に DC5V と書かれているなら、
必要なのは直流5Vです。
機器側に AC100V と書かれているなら、
必要なのは交流100Vです。
電源側の出力表示を見る
ACアダプターや充電器を使う場合は、
アダプター側の出力表示も見ます。
たとえば、次のような表示です。
出力:DC5V 2A
出力:DC12V 1.5A
OUTPUT:5V ⎓ 3A
ここに書かれているのは、
アダプターから機器へ送られる電気です。
機器が DC5V を必要としているなら、
アダプターの出力も DC5V である必要があります。
DC5Vの機器に、
DC12Vのアダプターは使えません。
電流(A)は足りているかを見る
電圧(V)は、機器が必要とする値に合わせます。
電流(A)は、機器が使う量を、
電源側が出せるかを見ます。
たとえば、機器側に DC5V 1A と書かれている場合、
アダプター側が DC5V 2A なら、電流には余裕があります。
反対に、機器が 2A 必要なのに、
アダプターが 1A までしか出せない場合は、電流が足りません。
電流が足りないと、
動作が不安定になったり、アダプターが熱くなったりすることがあります。
交流(AC)は周波数も見る
交流の機器では、
電圧だけでなく周波数も関係します。
日本では、地域によって
50Hzと60Hz
に分かれます。
表示に 50/60Hz と書かれていれば、
50Hz地域でも60Hz地域でも使える機器です。
片方だけが書かれている機器では、
使う地域の周波数と合っているかを確認します。
直流(DC)は極性やプラグ形状も見る
直流の電源では、
電圧と電流だけでなく、極性やプラグ形状も関係します。
極性とは、
プラスとマイナスの向きのことです。
丸いDCプラグでは、
内側がプラスになる センタープラスと、
内側がマイナスになる センターマイナス があります。
同じDC12Vでも、
極性が違うアダプターは使えません。
プラグが挿さる場合でも、
電気の条件が合っているとは限りません。
電源を確認するときは、
AC/DC・電圧(V)・電流(A)・周波数(Hz)・極性・プラグ形状 を見ます。
直流と交流でよくある勘違い
ACとDCは、表示の意味だけ見ると単純に見えます。
でも実際には、
機器・アダプター・コンセントの関係で迷いやすいところがあります。
間違えやすいのは、
「挿せること」と「使えること」を同じだと思ってしまう ことです。
コンセントに挿せるなら使えるとは限らない
家庭用コンセントにプラグが挿さると、
そのまま使えるように見えることがあります。
しかし、プラグが挿さることと、
電気の条件が合っていることは別です。
確認するのは、たとえば次のような表示です。
- AC100V用なのか
- AC100V〜240Vに対応しているのか
- 50Hz/60Hzに対応しているのか
電圧や周波数が合っていないと、
見た目では接続できても使えない場合があります。
ACアダプターだから出力もACとは限らない
「ACアダプター」という名前を見ると、
出力も交流(AC)だと思いやすいです。
でも、多くのACアダプターは、
コンセントから入る交流(AC)を受け取り、
機器へ直流(DC)を出します。
そのため、表示では、
入力:AC100V〜240V
出力:DC5V
のように、ACとDCが両方書かれることがあります。
名前だけで判断せず、
入力と出力の表示を分けて見ことが大事です。
DC同士でも電圧が違えば使えない
DCと書かれている電源同士なら、
なんとなく使えそうに見えることがあります。
でも、同じ直流でも電圧が違えば使えません。
たとえば、
DC5V の機器に DC12V のアダプターは使えません。
DCという種類が同じでも、
機器が必要としている電圧と違えば別物です。
なお、電圧が合っていても、
必要な電流(A)が足りないと正しく動かないことがあります。
DC入力の機器にはDC出力の電源を使う
機器側に DC5V や DC12V と書かれている場合、
必要なのは直流(DC)の電源です。
この場合は、出力が DC○V と書かれた
ACアダプターや電源を使います。
出力が交流(AC)になっている電源は、
DC入力の機器には使えません。
電源を見るときは、
機器側の入力表示と、アダプター側の出力表示を合わせて確認します。
迷ったときは入力と出力を順番に見る
ACかDCかで迷ったときは、
表示を一度に全部読もうとしない方が分かりやすいです。
まず見るのは、機器側の入力表示です。
機器側に DC5V と書かれていれば、
必要なのは直流5Vです。
機器側に AC100V と書かれていれば、
必要なのは交流100Vです。
次に、アダプターや電源側の出力表示を見ます。
機器側が DC5V を必要としているなら、
電源側の出力も DC5V である必要があります。
機器側が DC12V なら、
電源側も DC12V を出す必要があります。

ACかDC、電圧、電流の順で見る
表示を見るときは、
次の順番にすると判断しやすくなります。
- ACかDCか
- 電圧(V)は合っているか
- 電流(A)は足りているか
- 交流なら周波数(Hz)は合っているか
- 直流なら極性やプラグ形状は合っているか
この順番で見ると、
「なんとなく使えそう」で判断しにくくなります。
特に見るのは、
機器側の入力表示と、電源側の出力表示が合っているか を確認します。
プラグが挿さっても表示が違えば使わない
電源プラグやDCプラグは、
形だけなら挿さってしまうことがあります。
でも、挿さることと使えることは別です。
表示が合っていない場合は、
無理に使わない方が安全です。
電源を選ぶときは、
プラグが挿さるかどうかだけでなく、
AC/DC・V・A・Hz・極性・プラグ形状 を確認します。
直流と交流の違いを表で比べる
ここまでの内容を、表で見ると違いが分かりやすくなります。
| 項目 | 直流(DC) | 交流(AC) |
|---|---|---|
| 電気の流れ方 | 電気の流れる向きが一定 | 電気の流れる向きが一定のリズムで変わる |
| 主な表示 | DC | AC |
| 記号 | ⎓ | ~ / ∿ |
| 身近な例 | 電池、バッテリー、USB機器、スマートフォン | 家庭用コンセント、電源タップ、AC100V入力の機器 |
| よく見る電圧表示 | DC5V、DC12V | AC100V、AC100V〜240V |
| 関係する確認項目 | 電圧、電流、極性、プラグ形状 | 電圧、周波数、対応電圧の範囲 |
| 注意すること | DC同士でも電圧や極性が違えば使えない | コンセントに挿せても、電圧や周波数が合うとは限らない |
直流と交流は、名前だけで見ると単純です。
でも、実際に電源を使う場面では、
ACかDCかだけではなく、電圧や電流などの表示まで見る必要があります。
たとえば、DCと書かれていても、
DC5V と DC12V は別の電源です。
ACと書かれていても、
AC100V専用 なのか、
AC100V〜240V対応 なのかで使える範囲が変わります。
直流と交流の違いは、
電源表示を読むための最初の手がかりです。
そこから先は、
機器側の入力表示と、電源側の出力表示を合わせて確認します。
まとめ
直流(DC)と交流(AC)の違いは、
電気の流れる向きです。
直流は、電気の流れる向きが一定です。
交流は、電気の流れる向きが一定のリズムで変わります。
家庭用コンセントから取る電源は、
交流100V(AC100V)です。
一方で、スマートフォンやノートパソコン、USB機器などは、
内部では直流(DC)を使います。
そのため、電源アダプターでは、
入力側にAC、出力側にDCが書かれることがあります。
電源を確認するときは、
ACかDCかだけで決めないことが大切です。
見るのは、
機器側の入力表示 と 電源側の出力表示 です。
そこに書かれている、
- ACかDCか
- 電圧(V)は合っているか
- 電流(A)は足りているか
- 交流なら周波数(Hz)は合っているか
- 直流なら極性やプラグ形状は合っているか
を順番に確認します。
プラグが挿さるだけでは、
電気の条件が合っているとは限りません。
迷ったときは、
機器側の入力表示 と、
アダプターや電源側の出力表示 を見比べると判断しやすくなります。