製品仕様に「動作温度:0℃~40℃」や
「保存温度:-20℃~60℃」と書かれていても、
どちらの数値を見ればよいのか迷うことがあります。
- 電源を入れて使うときは、どちらを見るのか
- 車内や物置に置くときは、どちらを見るのか
- 温度範囲を少し超えたら、すぐに故障するのか
- 動作温度と保存温度は、なぜ数値が違うのか
知りたいのは言葉の意味だけではなく、
その場所で使ってよいのか、置いておいて問題ないのかという点です。
この記事では、動作温度範囲と保存温度の違い、
仕様欄の見方、範囲外になったときに起こることを説明します。
使うときと保管するときで確認する温度が違う
確認する数値は、
機器の電源を入れて使うのか、電源を切って置いておくのかで変わります。
- 電源を入れて使うとき
動作温度範囲を確認する - 電源を切って保管するとき
保存温度を確認する
たとえば、仕様に次のように書かれている場合です。
- 動作温度:0℃~40℃
- 保存温度:-20℃~60℃
電源を入れて使えるのは、
0℃~40℃の環境です。
電源を切って保管する場合は、
-20℃~60℃の範囲が基準になります。
保存温度の範囲内でも、
動作温度の範囲外では使用しないでください。
また、温度が範囲内でも、
直射日光や結露など、ほかの使用条件も確認が必要です。
動作温度範囲と保存温度が示すもの
似た名称ですが、
示している状態が異なります。
動作温度範囲とは
動作温度範囲は、
機器を動かして使用できる温度の範囲です。
仕様欄では、次のように表示されます。
- 動作温度:0℃~40℃
- 使用温度範囲:-10℃~50℃
- 動作環境温度:5℃~35℃
この数値は、一般に
機器を使用する場所の周囲温度を示します。
機器内部の温度や、
本体表面の温度を示すものではありません。
保存温度とは
保存温度は、
電源を切った機器を保管できる温度の範囲です。
仕様欄では、次のように表示されます。
- 保存温度:-20℃~60℃
- 保管温度範囲:-10℃~50℃
- 輸送・保存温度:-40℃~70℃
保存温度は、
使用していない状態を前提にした数値です。
そのため、保存温度の範囲が広くても、
その温度で機器を動かせるわけではありません。
動作温度と保存温度はどこで確認するか
動作温度や保存温度は、
主に次の場所に記載されています。
- メーカー公式サイトの製品仕様
- 取扱説明書
- 製品カタログ
- パッケージ
- 本体やラベルの表示
購入前に確認する場合は、
メーカー公式サイトの仕様欄や取扱説明書を見るのが確実です。
通販サイトの商品説明では、
温度条件が省略されていることがあります。
表記名が違う場合がある
メーカーや製品によって、
温度条件の名称が異なることがあります。
動作温度範囲は、次のように表示されます。
- 動作温度
- 使用温度範囲
- 動作環境温度
- 使用可能温度
保存温度は、次のように表示されます。
- 保存温度
- 保管温度範囲
- 輸送・保存温度
- 保管環境温度
名称だけで判断せず、
使用中の条件なのか、電源を切った状態の条件なのかを確認してください。
温度範囲を超えると何が起こるのか
動作温度や保存温度の範囲を超えたからといって、
その瞬間に必ず故障するわけではありません。
ただし、範囲外では
メーカーが想定した動作や品質を維持できない状態になります。
短時間で異常が現れる場合もあれば、
目立った変化がないまま劣化が進む場合もあります。
高温側の範囲を超えた場合
機器を高温環境で使用すると、
内部の熱を外へ逃がしにくくなります。
起こる可能性がある影響は次のとおりです。
- 動作が不安定になる
- 処理能力や出力が低下する
- 保護機能が働いて停止する
- バッテリーや内部部品の劣化が早まる
- 樹脂部品や接着部分が変形する
電源を切って保管している場合でも、
高温による部品やバッテリーの劣化は進みます。
特に夏の車内や直射日光が当たる場所は、
外気温より高くなるため注意が必要です。
低温側の範囲を超えた場合
低温環境では、
バッテリーや電子部品の性能が低下することがあります。
起こる可能性がある影響は次のとおりです。
- 電源が入らない
- 動作が遅くなる
- バッテリーの使用時間が短くなる
- 液晶表示の反応が鈍くなる
- 樹脂やゴムが硬くなる
寒い場所から暖かい室内へ移動すると、
機器の内部や表面に結露が発生することもあります。
結露した状態で電源を入れると、
故障やショートにつながるおそれがあります。
温度は室温ではなく実際の使用場所で判断する
動作温度や保存温度は、
天気予報の気温や部屋の設定温度だけで判断しません。
確認するのは、
機器を使う場所や保管する場所の実際の温度です。
同じ室内でも、置く場所によって温度は変わります。
- 直射日光が当たる窓際
- 熱がこもる棚や収納ボックスの中
- 暖房器具や調理器具の近く
- 換気しにくい機械や家具の裏側
- 夏の車内や物置
- 冬の屋外や暖房のない倉庫
室温が30℃でも、
直射日光が当たる機器の周辺は、さらに高温になることがあります。
また、機器自体が発熱するため、
狭い場所や通気口をふさいだ状態では熱が逃げにくくなります。
車内に置く場合
車内は、動作温度と保存温度のどちらでも注意が必要な場所です。
走行中に冷房を使用していても、
エンジンを切ると短時間で温度が上がることがあります。
電源を切っている場合でも、
保存温度の上限を超える環境には置いたままにしないでください。
特にバッテリーを内蔵した機器やスプレー缶は、
製品ごとの注意表示も確認してください。
屋外で使う場合
屋外では気温だけでなく、
直射日光や風通しも温度に影響します。
日陰では動作温度範囲内でも、
日なたでは本体の温度が大きく上がることがあります。
防水・防塵に対応している製品でも、
温度条件まで無制限になるわけではありません。
使用・保管する前に確認する順番
温度条件を確認するときは、
次の順番で見ると判断しやすくなります。
- 機器を使うのか、保管するのかを決める
- 仕様書で該当する温度範囲を確認する
- 実際に置く場所の温度を確認する
- 温度以外の使用条件も確認する
電源を入れて使う場合
機器を動かす場合は、
動作温度範囲を確認します。
たとえば、動作温度が0℃~40℃なら、
実際の使用場所の温度がこの範囲内にあることが必要です。
保存温度が-20℃~60℃でも、
50℃の場所では電源を入れて使用しないでください。
電源を切って保管する場合
使用せずに置いておく場合は、
保存温度を確認します。
保管中に電源を入れる予定がある場合は、
保存温度だけでなく動作温度も確認してください。
たとえば、冬の倉庫で保管できても、
その場所では動作温度の下限を下回り、使用できないことがあります。
温度範囲内でも確認が必要な条件
温度だけが合っていても、
すべての場所で使えるわけではありません。
次の条件も製品ごとに確認します。
- 湿度
- 結露
- 直射日光
- 水やほこり
- 通気性
- 標高や気圧
- 充電時と使用時の温度条件
特にバッテリーを搭載した製品では、
使用・充電・保管で温度範囲が分かれている場合があります。
取扱説明書に複数の温度条件があるときは、
実際に行う動作に対応した数値を確認してください。
動作温度や保存温度の範囲を超えたときの対処
動作温度や保存温度の範囲を超えた場合は、
そのまま使用や保管を続けないでください。
異常がなく、安全に動かせる場合は、製品を
温度範囲内の場所へ移動します。
使用中に動作温度範囲を超えた場合
機器を使用しているときは、
可能であれば電源を切ります。
- 直射日光の当たらない場所へ移動する
- 暖房器具や発熱する機器から離す
- 通気口をふさいでいる物を取り除く
- 温度範囲内に戻るまで使用を再開しない
高温になった機器を、
冷蔵庫や冷凍庫などで急激に冷やしてはいけません。
急な温度変化によって、
内部に結露が発生することがあります。
保管中に保存温度範囲を超えた場合
保管場所の温度が範囲外になっていた場合は、
温度条件を満たす場所へ移します。
移動後は、すぐに電源を入れず、
機器が周囲の温度になじむまで待つことが大切です。
寒い場所から暖かい場所へ移したときは、
表面だけでなく内部にも結露が発生することがあります。
水滴や湿り気が確認できる場合は、
乾燥するまで電源を入れないでください。
異常がある場合は使用しない
温度範囲外になったあとに、
次のような異常が見られる場合は使用を中止します。
- 本体やバッテリーの変形
- バッテリーの膨張
- 異臭
- 液漏れ
- 焦げた跡
- 電源が入らない
- 動作中に停止を繰り返す
異常がある状態で通電や充電を行うと、
故障や発熱につながるおそれがあります。
取扱説明書に点検方法や問い合わせ先が記載されている場合は、
その指示に従ってください。
また、温度範囲外での使用や保管は、
メーカー保証の対象外となる場合があります。
まとめ
動作温度範囲と保存温度は、
確認する場面が異なります。
- 電源を入れて使うときは
動作温度範囲 - 電源を切って置いておくときは
保存温度 - 天気予報の気温だけで判断せず、
実際に使う場所や保管する場所の温度を確認する - 温度範囲外では、
動作不良や部品の劣化、変形などが起こることがある - 範囲を超えた場合は、
可能であれば電源を切る - 異常がなく、安全に動かせる場合は、
温度条件を満たす場所へ移動する
保存温度の範囲内であっても、
その温度で機器を使用できるとは限りません。
また、温度が範囲内でも、
結露、直射日光、湿度、通気性などの条件によっては、
使用できない場合があります。
製品を使用・保管するときは、
現在の状態に合った温度条件と、
取扱説明書に記載された注意事項を確認してください。