接続する機器や部品に指定された条件に合う、
電源を選ぶことが重要です。
LED照明や電源装置などの説明を見ると、
「定電圧」や「定電流」という
言葉が出てくることがあります。
電源によっては、
CVやCCと表示されていることもあります。
どれも電源の動作を表す言葉ですが、
名前を見ただけでは、
- 何が違うのか
- CVとCCは何を表しているのか
- どこを見れば見分けられるのか
が分かりにくいところです。
この記事では、
定電圧電源と定電流電源が
それぞれどのような電源なのかを、
電圧と電流の意味から順番に説明します。
定電圧電源とは
定電圧電源は、
出力する電圧を決められた値に保つ電源です。
12Vの定電圧電源なら、
つないだ機器の動作状態が変わっても、
電源は12Vを保つように調整します。
電圧は、
電気を押し出す力の大きさです。
電源や機器の表示では、
V(ボルト)という単位で表されます。
電圧を保ちながら電流が変わる
定電圧電源が一定に保つのは、
電圧です。
実際に流れる電流は、
つないだ機器や回路によって変わります。
電流は、
流れる電気の量を表すもので、
A(アンペア)や
mA(ミリアンペア)で表示されます。
同じ機器でも、
動作状態によって電流は変わります。
- 待機中は少なくなることが多い
- 動作中に増えることがある
- モーターの起動時に一時的に増えることがある
このように電流が変わっても、
電源が供給できる電流の上限以内であれば、
定電圧電源は出力電圧を保ちます。
必要な電流が電源の上限を超えると、
電圧が下がったり、
保護機能によって出力が止まったりすることがあります。
定電圧電源が使われているもの
定電圧電源は、
決められた電圧で動く機器や回路に使われます。
身近な例には、
次のようなものがあります。
- ACアダプター
- USB電源
- 電子回路
- DC12VやDC24VのLEDテープ
- モーターや制御機器の電源
多くのACアダプターには、
次のような出力表示があります。
OUTPUT:DC12V 2A
この表示では、
12Vが出力電圧、
2Aが供給できる電流の上限です。
機器側に、
INPUT:DC12V 2Aと書かれている場合は、
次の項目を確認します。
- 電源の出力電圧をDC12Vに合わせる
- 2A以上を供給できる電源を使う
- DCプラグの極性を合わせる
- プラグの太さや長さを合わせる
3Aまで供給できる電源を接続しても、
常に3Aが流れるのではありません。
実際に流れる電流は、
機器の動作状態によって決まります。
定電流電源とは
定電流電源は、
流れる電流を決められた値に保つ電源です。
700mAの定電流電源なら、
つないだLEDや回路の状態が変わっても、
電流を700mAに保つように調整します。
電流は、
流れる電気の量を表すものです。
電源や機器の表示では、
A(アンペア)や
mA(ミリアンペア)という単位で表されます。
1Aは1000mAです。
電流を保つために電圧が変わる
定電流電源が一定に保つのは、
電流です。
電気の流れやすさは、
つないだLEDや回路の状態によって変わります。
その変化に合わせて、
定電流電源は出力電圧を上下させます。
たとえば、
700mAの電流を流すために24Vが必要なら、
電源は出力電圧を24V付近まで上げます。
同じ700mAでも、
つないだLEDや回路によって、
必要な電圧は変わります。
定電流電源には、
電圧を調整できる範囲があります。
表示例は、
次のようになります。
OUTPUT:700mA 18~36V
この表示では、
- 700mA:電源が保つ電流
- 18~36V:電源が調整できる電圧の範囲
を表しています。
つないだLEDに必要な電圧が、
18~36Vの範囲に収まっている間は、
電源が電圧を調整して700mAを流します。
必要な電圧が範囲から外れると、
設定された電流を保てなくなります。
その場合は、
点灯しなかったり、
動作が不安定になったりします。
定電流電源が使われているもの
定電流電源は、
流す電流を一定にする必要がある
LEDや回路に使われます。
代表的なものには、
次のようなものがあります。
- 高出力LED
- LED照明用ドライバー
- 定電流駆動のLEDモジュール
- 充電回路
- 電子部品の試験用電源
LEDは、
流れる電流が増えると明るくなります。
しかし、電流が多すぎると、
発熱や破損につながります。
そのため、
指定された電流を保つ
定電流電源が使われます。
たとえば、LEDの仕様で、
700mAで使用するように指定されている場合は、
700mAの定電流電源を使用します。
あわせて、
次の項目も確認します。
- LEDや回路が指定する電流
- 定電流電源の出力電流
- 電源が調整できる電圧の範囲
- 直列につなぐLEDの合計電圧
- 接続できるLEDの個数やつなぎ方
LEDを直列につなぐ場合は、
それぞれのLEDに必要な電圧を足して、
合計電圧を確認します。
800mAや1000mAの定電流電源をつなぐと、
指定より多い電流が流れます。
LEDの発熱が増え、
寿命が短くなったり、
破損したりする原因になります。
定電圧電源と定電流電源の違い
定電圧電源と定電流電源では、
電源が保つ数値が違います。
- 定電圧電源:電圧を保つ
- 定電流電源:電流を保つ
どちらの電源でも、
電圧と電流の両方が関係します。
違うのは、
つないだ機器や回路の状態が変わったときに、
どちらを基準に調整するかです。
定電圧電源は電圧を保つ
定電圧電源では、
電圧を決められた値に保ちます。
実際に流れる電流は、
つないだ機器や回路によって変わります。
たとえば、
12Vの定電圧電源では、
- 電圧:12Vに保つ
- 電流:機器の動作状態に合わせて変わる
という動きになります。
機器が少ない電流で動くときは、
流れる電流も少なくなります。
多くの電流が必要なときは、
電源が供給できる範囲内で、
流れる電流が増えます。
定電流電源は電流を保つ
定電流電源では、
流れる電流を決められた値に保ちます。
そのために、
電源が出力電圧を調整します。
たとえば、
700mAの定電流電源では、
- 電流:700mAに保つ
- 電圧:つないだLEDや回路に合わせて変わる
という動きになります。
700mAを流すために必要な電圧が変わると、
定電流電源も出力電圧を上下させます。
電源が調整できる電圧には、
上限と下限があります。
違いを表で比べる
| 項目 | 定電圧電源 | 定電流電源 |
|---|---|---|
| 電源が保つもの | 電圧 | 電流 |
| 接続先に合わせて変わるもの | 電流 | 電圧 |
| 主な表示例 | DC12V 2A | 700mA 18~36V |
| 12V・700mAの意味 | 12Vを保つ | 700mAを保つ |
| 主な使用例 | ACアダプター、USB電源、LEDテープ | 高出力LED、LEDドライバー |
| 主に確認する数値 | 出力電圧と供給可能電流 | 出力電流と出力電圧範囲 |
たとえば、
DC12V 2Aと表示された定電圧電源では、
12Vを保ちながら、最大2Aまで供給します。
一方、
700mA 18~36Vと表示された定電流電源では、
700mAを保つために、
電圧を18~36Vの範囲で調整します。
定電圧電源と定電流電源では、
数字の読み方と動き方が違います。
定電圧電源と定電流電源の見分け方
定電圧電源と定電流電源は、
電源本体や仕様書の
出力表示で見分けます。
確認する言葉は、
次の4つです。
- Constant Voltage
- CV
- Constant Current
- CC
Constant Voltageは定電圧、
Constant Currentは定電流を表します。
CVとCCは、
それぞれの英語を略した表示です。
定電圧電源の表示
定電圧電源には、
次のような表示があります。
OUTPUT:DC12V 2A
この場合は、
- DC12V:電源が保つ電圧
- 2A:電源が供給できる電流の上限
を表しています。
機器が500mAを必要とするときは、
約500mAが流れます。
機器が1Aを必要とするときは、
約1Aが流れます。
表示にある2Aが、
常に流れ続けるという意味ではありません。
定電圧電源では、
電圧が1つの値で示され、
電流は供給できる上限として
表示されることが多くあります。
定電流電源の表示
定電流電源には、
次のような表示があります。
OUTPUT:700mA 18~36V
この場合は、
- 700mA:電源が保つ電流
- 18~36V:電源が調整できる電圧の範囲
を表しています。
電源は700mAを流すために、
出力電圧を18~36Vの範囲で調整します。
定電流電源では、
電流が1つの値で示され、
電圧は範囲で
表示されることが多くあります。
CVとCCの表示を見る
電源本体に
CVと表示されている場合は、
定電圧で動作しています。
CCと表示されている場合は、
定電流で動作しています。
直流安定化電源の中には、
CVとCCの両方が表示されるものがあります。
このタイプは、
2台の電源が入っているのではありません。
設定した電圧を保っている間は、
CVで動作します。
その電圧を保ったままでは、
電流が設定した上限を超える状態になると、
CCに切り替わります。
たとえば、
- 電圧設定:12V
- 電流設定:1A
とした場合、
流れる電流が1Aより少ない間は、
12Vを保つCV動作になります。
12Vを保ったままでは、
電流が1Aを超える状態になると、
電源は電流を1Aに抑えるため、
出力電圧を下げてCC動作になります。
表示がない場合は仕様書を確認する
電源本体に、
CV・CCや定電圧・定電流の表示が
書かれていないこともあります。
その場合は、
製品の型番から仕様書を確認します。
仕様書では、
次の項目を探します。
- 出力方式
- 定電圧出力
- 定電流出力
- Constant Voltage
- Constant Current
- 出力電圧範囲
- 出力電流
電源の外観やプラグの形からは、
定電圧か定電流かを区別できません。
出力表示と仕様書に書かれた方式を確認して、
定電圧か定電流かを見分けます。
定電圧電源と定電流電源の使い分け
定電圧電源と定電流電源は、
つなぐ機器や部品の仕様に合わせて使います。
確認するのは、
機器や部品に指定されている
電圧・電流・電源方式です。
定電圧電源を使う場合
機器側に、
次のような入力表示がある場合は、
定電圧電源を使います。
INPUT:DC12V 2A
この表示では、
- DC12V:機器に加える電圧
- 2A:2A以上を供給できる電源が必要という意味
を表しています。
使用する電源は、
次の条件に合わせます。
- 出力電圧がDC12V
- 2A以上を供給できる
- プラグの極性が一致している
- プラグの形状が一致している
たとえば、
- DC12V 1A:電流が不足する
- DC12V 2A:使用できる
- DC12V 3A:使用できる
- DC9V 3A:電圧が合わない
- DC24V 2A:電圧が合わない
という判断になります。
3Aの電源を接続した場合も、
機器に流れる電流は、
機器の動作状態によって決まります。
機器が1Aを必要とする状態なら、
流れる電流は約1Aです。
定電流電源を使う場合
LEDや部品の仕様で、
定電流で駆動するように指定されている場合は、
定電流電源を使います。
駆動電流とは、
LEDや部品を動作させるために
流す電流のことです。
たとえば、
LEDを700mAで使用するように
指定されている場合は、
700mAの定電流電源を使用します。
電源を選ぶときは、
次の項目を確認します。
- LEDや部品に指定された駆動電流
- 定電流電源の出力電流
- 電源の出力電圧範囲
- 直列につなぐLEDの合計電圧
- LEDの個数やつなぎ方
たとえば、
LEDを700mAで使用し、
直列につないだLEDの合計電圧が24Vの場合は、
OUTPUT:700mA 18~36V
と表示された定電流電源を使用できます。
700mAは、
LEDに指定された駆動電流と一致しています。
24Vは、
電源が調整できる
18~36Vの範囲内です。
LED製品によって電源方式が異なる
LED製品に使われる電源方式は、
製品の種類や内部の回路によって異なります。
代表的な例は、
次のとおりです。
- 高出力LED:定電流電源を使うことが多い
- DC12VのLEDテープ:定電圧電源を使う
- 電源回路を内蔵したLED照明:指定された入力電源を使う
- USB接続のLED機器:DC5Vの定電圧電源を使う
本体や仕様書に書かれた
入力条件を確認します。
電源方式が分からない場合
機器や部品の表示に、
定電圧・定電流が書かれていない場合は、
説明書や仕様書を確認します。
仕様書では、
次の項目を探します。
- 入力電圧
- 指定電流
- 駆動電流
- 定電圧入力
- 定電流入力
- Constant Voltage
- Constant Current
機器側に、
「DC12V」など定電圧で入力する条件が
指定されている場合は、
その電圧に合う定電圧電源を使用します。
LEDや部品に、
「700mAの定電流で駆動」などと
指定されている場合は、
その電流に合う定電流電源を使用します。
定電圧電源と定電流電源を間違えるとどうなるか
機器や部品が指定する方式と、
電源の方式が合っていないと、
電圧や電流が指定された条件から外れます。
その結果、
- 正常に動作しない
- LEDが点灯しない
- 電源の保護機能が働く
- 機器や部品が発熱する
- 機器や部品が破損する
といったことが起こります。
定電圧用の機器に定電流電源をつないだ場合
定電圧用の機器は、
DC5VやDC12Vなど、
決められた電圧で動作します。
一方、定電流電源は、
設定された電流を流すために、
出力電圧を変化させます。
たとえば、
DC12Vで動く機器に、
700mAの定電流電源をつなぐと、
電源は700mAを流すために
出力電圧を調整します。
そのため、
機器に加わる電圧が
DC12Vから外れることがあります。
電圧が高くなりすぎると、
機器の発熱や故障につながります。
定電流電源が、
機器の動作に必要な電圧まで
出力できない場合は、
機器が起動しなかったり、
動作が不安定になったりします。
定電圧入力が指定された機器には、
指定された電圧の
定電圧電源を使用します。
定電流駆動のLEDに定電圧電源をつないだ場合
定電流で駆動するLEDは、
指定された電流を流して使用します。
LEDには、
電圧が少し変わっただけで、
流れる電流が大きく増える性質があります。
定電圧電源を直接つなぐと、
LEDに流れる電流を
指定された値に保てません。
電流が増えすぎると、
- LEDが強く発熱する
- 明るさが安定しない
- LEDの寿命が短くなる
- LEDが破損する
といった問題が起こります。
「700mAの定電流で駆動」と
指定されたLEDには、
700mAの定電流電源を使用します。
あわせて、
定電流電源の出力電圧範囲も確認します。
定電圧電源でも出力電圧を間違えると動作不良や故障につながる
同じ定電圧電源でも、
出力電圧は機器の指定に合わせます。
たとえば、
DC12Vの機器には、
出力がDC12Vの電源を使用します。
- DC9V:電圧が低い
- DC12V:指定と一致する
- DC15V:電圧が高い
- DC24V:電圧が大きく異なる
電圧が低い場合は、
起動しなかったり、
動作が不安定になったりします。
電圧が高い場合は、
回路の発熱や故障につながります。
定電流電源でも出力電流を間違えると動作不良や故障につながる
定電流電源は、
LEDや部品に指定された
駆動電流に合わせます。
700mAの定電流で駆動するLEDに、
800mAや1000mAの定電流電源をつなぐと、
指定より多い電流が流れます。
電流が多いほど、
LEDの発熱も増えます。
一方、
500mAの定電流電源をつなぐと、
指定より流れる電流が少なくなります。
この場合は、
本来より暗くなったり、
回路が正常に動作しなかったりします。
定電流電源を使うときは、
- 指定された駆動電流
- 電源の出力電流
- 電源の出力電圧範囲
を確認します。
まとめ
定電圧電源と定電流電源は、
一定に保つものが異なります。
- 定電圧電源:電圧を一定に保つ
- 定電流電源:電流を一定に保つ
定電圧電源では、
つないだ機器の動作状態に合わせて、
流れる電流が変わります。
定電流電源では、
指定された電流を流すために、
出力電圧が変わります。
電源の表示は、
次のように読みます。
- DC12V 2A:12Vを保ち、最大2Aまで供給する
- 700mA 18~36V:700mAを保つため、18~36Vの範囲で電圧を調整する
電源を確認するときは、
機器や部品の仕様に書かれた
電源方式・電圧・電流を見ます。
定電圧入力が指定された機器には、
指定された電圧の
定電圧電源を使用します。
定電流で駆動するように
指定されたLEDや部品には、
指定された電流の
定電流電源を使用します。
電源方式や数値が合っていないと、
- 起動しない
- 動作が不安定になる
- LEDが発熱する
- 機器や部品が故障する
といった問題につながります。
電源本体の表示だけで分からない場合は、
型番から説明書や仕様書を確認します。
接続する機器や部品に指定された条件に合う、
電源を選ぶことが重要です。