スマホやイヤホン、家電などの仕様を見ていると、
BluetoothやWi-Fiのほかに、NFCやZigbeeといった名前が出てくることがあります。
BluetoothやWi-Fiは聞いたことがあっても、
**「NFCって何?」「Zigbeeって何?」**となる人もいるでしょう。
そもそも、
- BluetoothとWi-Fiは何が違うのか
- NFCは何をするものなのか
- Zigbeeはどこで使われているのか
- これらは同じ種類のものなのか
- ペアリングとは何をしているのか
など、名前を見ただけでは分からないことが多くあります。
この記事では、Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeが
それぞれ何をするものなのかから説明し、
違いや使われ方、ペアリングとの関係まで見ていきます。
Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeは何が違う?
Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeは、いずれもケーブルを使わずに機器やネットワークと通信するためのものです。
ただし、同じ目的で使うものではありません。
大まかに分けると、
- Bluetooth:イヤホンやキーボードなど、近くの機器同士をつなぐ
- Wi-Fi:スマホやパソコンなどをネットワークにつなぐ
- NFC:スマホをかざすなど、ごく近い距離で通信する
- Zigbee:センサーやスマート家電など、多くの機器を低消費電力でつなぐ
という違いがあります。
たとえば、ワイヤレスイヤホンをスマホにつなぐならBluetooth、
自宅のルーターにスマホをつなぐならWi-Fiがよく使われます。
NFCは交通系ICカードやタッチ決済などのように、
かざしたり、近づけたりして使う通信で見かけます。
ZigbeeはBluetoothやWi-Fiほど名前を見る機会は多くありませんが、
照明やセンサーなどを連携させるスマートホーム機器などで使われています。
ペアリングは無線通信の種類ではない
「ペアリング」もBluetoothなどと一緒に出てくる言葉ですが、
ペアリング自体は無線通信の種類ではありません。
機器同士を接続するために、相手を確認したり接続情報を登録したりする処理を指します。
Bluetoothではペアリングを行う機器が多い一方で、
Wi-Fi・NFC・Zigbeeでは接続までの方法が異なります。
そのため、
「無線でつなぐ=すべてペアリングする」
というわけではありません。
Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeはすべて無線通信
Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeは名前こそ違いますが、
いずれもケーブルを使わずに情報をやり取りするための無線通信です。
たとえば、スマホにワイヤレスイヤホンをつないだり、Wi-Fiルーターからインターネットにつないだりするのも無線通信です。
NFCやZigbeeも同じ無線通信の仲間ですが、
通信する距離や使い方、得意な用途が違います。
無線通信でも同じものではない
4つとも無線通信だからといって、同じように使えるわけではありません。
それぞれに、
- どのくらい離れて通信できるか
- どのくらいのデータを送れるか
- どのように機器を接続するか
- どんな機器で使われるか
- 消費電力をどこまで抑えられるか
といった違いがあります。
そのため、Bluetoothに対応している機器だからWi-Fiでもつながる、
NFCに対応している機器だからBluetoothでもつながる、というものではありません。
使いたい通信方法に、その機器が対応している必要があります。
Bluetooth|イヤホンや周辺機器を無線でつなぐ
Bluetoothは、近くにある機器同士を無線でつなぐために使われる通信規格です。
身近なところでは、
- ワイヤレスイヤホン
- ヘッドセット
- キーボード
- マウス
- スピーカー
- ゲームコントローラー
などの接続に使われています。
スマホとワイヤレスイヤホンのように、
機器と機器を無線でつなぎたい場面でよく使われます。
Bluetoothのマーク
製品本体やパッケージ、仕様表などには、
「Bluetooth」という表記やBluetoothのロゴマークが使われています。

Bluetoothに対応しているか確認したいときは、
この表記や製品の仕様を確認します。
Bluetoothではペアリングを使う機器が多い
Bluetooth機器を初めて接続するときは、
ペアリングという操作を行う機器が多くあります。
たとえば、スマホとワイヤレスイヤホンをつなぐ場合は、
- イヤホンをペアリングできる状態にする
- スマホのBluetooth設定を開く
- 接続するイヤホンを選ぶ
- 接続情報が登録される
といった流れになります。
一度登録すると、次回から自動で再接続する機器もあります。
ただし、Bluetoothに対応していても、
使いたい機能に両方の機器が対応している必要があります。
Wi-Fi|スマホやパソコンをネットワークにつなぐ
Wi-Fiは、スマホやパソコンなどを無線でネットワークにつなぐために使われる通信規格です。
自宅でスマホをWi-Fiルーターにつないだり、
パソコンを無線でインターネットにつないだりするときに使われています。
身近な機器では、
- スマホ
- パソコン
- タブレット
- テレビ
- ゲーム機
- プリンター
などがWi-Fiに対応しています。
Wi-Fiにつなぐとインターネットが使えるの?
Wi-Fiは、それ自体がインターネット回線というわけではありません。
たとえば自宅では、
インターネット回線
→ Wi-Fiルーター
→ スマホやパソコン
という形で接続されています。
スマホやパソコンはWi-Fiを使ってルーターと通信し、
その先にあるインターネット回線を利用しています。
そのため、Wi-Fiにつながっていても、
ルーター側がインターネットにつながっていなければインターネットは利用できません。
BluetoothとWi-Fiは何が違う?
BluetoothもWi-Fiもケーブルを使わない通信ですが、
使われる目的が違います。
Bluetoothは、イヤホンやマウスなどのように、
近くにある機器同士をつなぐ用途でよく使われます。
一方のWi-Fiは、スマホやパソコンなどを
家庭や職場などのネットワークにつなぐ用途でよく使われます。
また、Wi-FiはBluetoothよりも大きなデータを高速で通信する用途にも使われています。
NFC|スマホをかざして近距離で通信する
NFCは、スマホやカードなどを近づけて情報をやり取りする無線通信です。
BluetoothやWi-Fiのように離れた場所から通信するのではなく、
数cm程度まで近づけて使います。
身近なところでは、
- スマホのタッチ決済
- 交通系ICカード
- 電子マネー
- 機器の認証
- 対応機器同士の情報交換
などに使われています。
NFCのマーク
NFCに対応した機器には、
本体や説明書などにNFCのマークが表示されていることがあります。

スマホなどでは、このマーク付近が
NFCで読み取る位置の目安になっている場合もあります。
NFCはBluetoothやWi-Fiと何が違う?
NFCの大きな特徴は、通信する距離が非常に短いことです。
スマホをカードリーダーにかざすように、
通信したい相手へ近づけて使います。
Bluetoothのようにイヤホンと継続して通信したり、
Wi-Fiのようにネットワークへ接続したりする使い方とは異なります。
また、NFCではBluetooth機器でよく行うような
接続先を一覧から選んでペアリングする操作を必要としない使い方もあります。
Zigbee|照明やセンサーなどを無線でつなぐ
Zigbee(ジグビー)は、照明やセンサーなどの機器を無線でつなぐために使われる通信規格です。
BluetoothやWi-Fiと比べると名前を目にする機会は少ないですが、
スマートホーム機器などで使われています。
たとえば、
- スマート照明
- 人感センサー
- 温度・湿度センサー
- ドア・窓センサー
- スマートプラグ
などです。
Zigbeeのマーク
Zigbeeに対応した製品では、
パッケージや仕様表などに「Zigbee」やロゴマークが表示されていることがあります。

製品によっては「Zigbee 3.0」などと表記されています。
Zigbeeは何が違う?
Zigbeeは、消費電力を抑えながら複数の機器をつなぐ用途に向いています。
たとえば家の中にある照明やセンサーを複数つなぎ、
それぞれの状態を確認したり操作したりする使い方です。
また、Zigbeeでは機器同士が通信を中継する
メッシュネットワークを構成できます。
1台の機器だけで遠くまで電波を飛ばすのではなく、
対応する機器を経由して通信を届けられる仕組みです。
Zigbee対応ならスマホと直接つながる?
Zigbee対応機器は、
スマホと直接通信するとは限りません。
製品によっては、Zigbee機器をまとめるハブやブリッジを使い、
Zigbee対応機器
→ ハブ・ブリッジ
→ Wi-FiやLAN
→ スマホ
という形で操作します。
そのため、Zigbee対応製品を使うときは、
対応するハブやブリッジが必要かどうかも製品仕様で確認します。
ペアリング|機器同士を接続できる状態にする
ペアリングは、
機器同士を確認し、接続に必要な情報を登録する処理です。
Bluetoothイヤホンを初めてスマホにつなぐときに、
設定画面からイヤホンの名前を選ぶ操作などがこれにあたります。
ペアリングが完了すると、
接続した機器の情報が保存され、次回から自動で再接続する製品もあります。
無線通信なら必ずペアリングするわけではない
ペアリングという言葉はBluetoothでよく使われますが、
Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeのすべてで同じ操作をするわけではありません。
- Bluetooth:機器同士をペアリングして接続する製品が多い
- Wi-Fi:接続するネットワークを選び、パスワードなどを使って接続する
- NFC:機器やカードを近づけて通信する
- Zigbee:対応機器を同じZigbeeネットワークに参加させる
このように、
通信規格によって接続を始める方法が違います。
そのため、「ペアリングできるか」だけを見るのではなく、
製品がどの通信規格に対応し、どの方法で接続するのかを見る必要があります。
Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeの違いを比較
ここまで見てきた4つは、
通信する距離や接続する相手、使われる目的がそれぞれ違います。
| 種類 | 主な使い方 | 通信する距離のイメージ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Bluetooth | イヤホン・マウス・スピーカーなど | 近距離 | 機器同士の接続に向く |
| Wi-Fi | スマホ・パソコン・テレビなど | 室内や建物内など | ネットワーク接続や大きなデータ通信に向く |
| NFC | ICカード・タッチ決済・認証など | 数cm程度 | 近づけて通信する |
| Zigbee | 照明・センサー・スマート家電など | 数m〜数十m程度 | 低消費電力で複数機器をつなげられる |
似ているようで使う場所が違う
たとえば、スマホからワイヤレスイヤホンへ音声を送るならBluetoothが使われます。
同じスマホでも、自宅のルーターにつないでインターネットを使う場合はWi-Fiです。
カードや機器へスマホを近づけて通信する場合はNFC、
照明やセンサーを複数つなぐ場合にはZigbeeが使われることがあります。
「無線で通信する」という部分は共通していますが、同じ役割を持つ規格ではありません。
製品の仕様にBluetooth、Wi-Fi、NFC、Zigbeeと書かれている場合は、
名前だけでなく何のために搭載されているのかを見ると違いが分かります。
通信距離・速度・消費電力の違い
Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeは、
通信できる距離や速度、消費電力にも違いがあります。
| 種類 | 通信距離の目安 | 通信速度の傾向 | 消費電力の特徴 |
|---|---|---|---|
| Bluetooth | 近距離 | Wi-Fiより低速 | 比較的抑えやすい |
| Wi-Fi | 室内・建物内など | 高速 | 比較的大きい |
| NFC | 数cm程度 | 低速 | 受動型タグは電池不要 |
| Zigbee | 数m〜数十m程度 | 低速 | 低消費電力 |
特に違いが大きいのは、
NFCの通信距離の短さと、Zigbeeの低消費電力です。
Wi-Fiは高速な通信に向いていますが、
BluetoothやZigbeeと比べると消費電力は大きくなります。
BluetoothはWi-Fiほど高速ではありませんが、
近距離で機器同士をつなぐ用途に向いています。
なお、通信距離や速度は固定ではなく、
規格の世代、機器の仕様、壁などの障害物、周囲の電波環境によって変わります。
まとめ
Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeは、
どれもケーブルを使わずに通信するための無線通信です。
ただし、
使われ方はそれぞれ異なります。
- Bluetooth:イヤホンやマウスなど、近くの機器同士をつなぐ
- Wi-Fi:スマホやパソコンをネットワークにつなぐ
- NFC:カードや機器を数cm程度まで近づけて通信する
- Zigbee:照明やセンサーなどを低消費電力でつなぐ
また、ペアリングは
無線通信の種類ではなく、機器同士を接続するための処理です。
Bluetooth・Wi-Fi・NFC・Zigbeeという表記を見たときは、
通信距離や速度だけでなく、
何と何をつなぐために使われているのか
を見ると、それぞれの違いが分かります。