モニターやテレビを選ぶときに見かける「60Hz」「120Hz」「144Hz」「240Hz」という数字。
数字が大きいほどよさそうですが、実際に何が違うのでしょうか。
「60Hzでも十分?」「120Hzと144Hzは見比べてわかる?」「240Hzなんて何に使うの?」
ゲームや動画を見るとき、本当に高いHzが必要なのか、気になる方も多いと思います。
見比べると確かに違う。でも、その違いは自分にとってどれほど重要なのか。
この記事では、身近な例を交えながら、
それぞれの違いや用途に合った選び方をわかりやすく説明します。
リフレッシュレートとは?画面の動きを決める「Hz」の意味
スマホで画面を上下にスクロールすると、文字や写真が滑らかに動いて見えます。
これは、画面の表示が短い間隔で更新されているためです。
この1秒間に画面を更新する回数を「リフレッシュレート」といい、Hz(ヘルツ)という単位で表します[1]。
例えば、60Hzなら1秒間に60回、120Hzなら120回画面を更新します。
120Hzのほうが動きを細かく表示できるため、画面のスクロールや動きの速い映像が滑らかに見えやすくなります。
身近な例では、パラパラ漫画をイメージするとわかりやすいでしょう。
同じ動きでも、途中の絵をたくさん用意して順番に見せるほど、動きを滑らかに表現できます。
ただし、画面を更新する回数と、映像そのものの枚数は別です。
例えば、スマホの動画撮影で見かける「30fps」「60fps」という数字。
このfps(エフピーエス)は、1秒間の映像を構成する画像の枚数を表しています[2]。
| 表示 | 何を表す数字? |
|---|---|
| Hz(ヘルツ) | 画面が1秒間に更新する回数 |
| fps(エフピーエス) | 映像が1秒間に何枚の画像で構成されるか |
つまり、Hzは画面側の性能、fpsは映像側の数字です。
120Hz対応の画面であっても、30fpsの動画を再生すれば、
元の映像が120fpsに変わるわけではありません。
なお、家庭用電源にも50Hz・60Hzという表示がありますが、
こちらは電気の周期を表すもので、画面の更新回数とは別です。
電源の50Hz・60Hzについては、50Hz・60Hzの違いと確認方法で詳しく説明しています。
60Hz・120Hz・144Hz・240Hzは何が違う?
60Hzと120Hzでは、画面を更新できる回数が2倍違います。
例えば、スマホでWebページをスクロールするとき、
120Hzの画面は60Hzよりも文字や写真の動きを細かく表示できます。
では、144Hzや240Hzになると、さらに大きな違いを感じるのでしょうか。
まずは、それぞれの特徴を比較してみましょう。
| リフレッシュレート | 動きの特徴と主な用途 |
|---|---|
| 60Hz | 一般的な動画視聴やWeb閲覧、普段のPC作業に十分な性能 |
| 120Hz | スクロールやゲームの動きがより滑らか。スマホやゲーム機にも適している |
| 144Hz | 120Hzよりさらに細かく表示できる。PCゲームなどで使われる |
| 240Hz | 素早い動きをより細かく表示できる。動きの速い対戦ゲームなどに向いている |
※実際の滑らかさは、映像のfpsや機器の性能、設定によっても変わります。
60Hzと120Hzはどれくらい違う?
例えば、スマホで長いページを素早くスクロールしたとき、
60Hzでは文字が飛び飛びに移動して見える場面でも、
120Hzなら途中の動きをより細かく表示できます。
ゲームでも、キャラクターが振り向いたり、
背景が横に流れたりするときに違いを感じやすくなります[1]。
60Hzから120Hzへの変化は、滑らかさの違いを実感しやすい比較です。
120Hzと144Hzは見比べてわかる?
120Hzと144Hzの差は24Hzです。
60Hzから120Hzへ変えた場合と比べると、
動きの滑らかさの違いは小さくなります。
もちろん、動きの速いゲームなどでは違いを感じる人もいますが、
120Hzでも十分に滑らかだと感じるなら、144Hzにこだわる必要はありません。
240Hzは何のために使う?
240Hzは、主に動きの速い対戦ゲームなどで性能を生かせます。
例えば、対戦相手が素早く左右に動く場面や、
マウスで視点を急に動かした場面では、
画面の変化をより細かく表示できます。
ただし、240Hzの性能を十分に生かすには、
ゲームを動かすPCなども、それに見合った枚数の映像を出せる必要があります[3]。
また、ゲーム以外では、人間の目が映像をどのように感じるかを調べる
視覚研究でも、高い更新速度が役立ちます。
実際に、240Hzのモニターを使い、
映像が指定したタイミングで表示されるかを測定した研究もあります[4]。
240Hzは、誰にでも必要な性能ではありません。
見比べれば違いがわかっても、実際にゲームを楽しんでいると、
その違いが気にならなくなる人もいます。
大切なのは、数字の大きさだけではなく、
自分がその滑らかさを必要としているかどうかです。
用途別の選び方|60Hz・120Hz・144Hz・240Hzのどれが必要?
リフレッシュレートは、数字が大きいほど高性能ですが、
すべての人が240Hzの画面を必要としているわけではありません。
普段どのような使い方をするかによって、適した数字は変わります。
まずは、用途ごとの目安を確認してみましょう。
| 主な用途 | おすすめの目安 |
|---|---|
| YouTube・映画・テレビ番組の視聴 | 60Hz |
| Web閲覧・事務作業 | 60Hzでも十分。滑らかなスクロールを重視するなら120Hz |
| PS5・Switch 2 | 60Hzでも遊べる。120fps対応ゲームを楽しむなら120Hz |
| 一般的なPCゲーム | 120Hz・144Hz |
| 動きの速い対戦ゲーム | 144Hz・240Hz |
※あくまで選ぶ際の目安です。ゲームや機器の対応状況によって、必要な性能は変わります。
動画を見るだけなら60Hzでも十分?
YouTubeや映画、テレビ番組などを見ることが中心なら、
基本的には60Hzの画面で十分です。
一般的な動画には24fps・30fps・60fpsなどがあり、
120Hzや240Hzの画面を使っても、元の動画の枚数が自動的に増えるわけではありません。
ただし、動画を見る以外にスマホやPCで頻繁にスクロールするなら、
120Hzの滑らかさに魅力を感じることもあります。
動画を見るためだけに、240Hzを選ぶ必要はほとんどありません。
PS5・Switch 2には120Hzが必要?
PS5は、ゲームとテレビの両方が対応している場合に、120Hzで映像を出力できます[5]。
Nintendo Switch 2も、対応するゲームでは最大120fpsの映像を出力できます。
ただし、Switch 2のテレビ出力は、
4Kでは最大60fps、フルHD(1080p)や1440pでは最大120fpsという違いがあります[6]。
つまり、120Hz対応のテレビやモニターを用意すれば、対応するゲームでその性能を生かせます。
一方で、すべてのゲームが120fpsに対応しているわけではありません。
普段遊ぶゲームが60fpsまでなら、
240Hzの画面を購入しても、そのゲームが240fpsで表示されるわけではありません。
なお、PS5では「設定」→「スクリーンとビデオ」→「映像出力」から、
現在の映像出力信号を確認できます。
ただし、120Hzで出力されていても、ゲームが実際に120fpsで動いているとは限りません。
PS5やSwitch 2では、PCのように実際のFPSを簡単に数値表示する標準機能はないため、
ゲーム側の対応モードなどを確認する必要があります。
PCゲームなら144Hzと240Hzのどちらがいい?
PCゲームを楽しむなら、144Hzは有力な選択肢です。
60Hzより滑らかな動きを表示でき、
120Hzと比べても少し細かく画面を更新できます。
一方、対戦相手の素早い動きを追うようなゲームでは、240Hzを選ぶ意味もあります。
ただし、240Hzの性能を十分に生かすには、
PC側も高いfpsでゲームを動かせることが重要です。
例えば、ゲームが60fps程度でしか動いていない場合、
240Hzのモニターに交換するだけでは、期待したほどの違いを感じられない可能性があります[3]。
240Hzを選ぶ前に、遊びたいゲームが自分のPCで何fps程度出るのかを確認しましょう。
Windows PCなら、標準搭載されている「Xbox Game Bar」でFPSを確認できます[7]。
確認方法は次のとおりです。
- 確認したいゲームを起動する
- Windowsキー+G を押す
- 「パフォーマンス」を開く
- 「FPS」の数字を確認する
ゲーム中も数値を表示したい場合は、
「パフォーマンス」のピン留めを使います。
※初回はアクセス許可やPCの再起動が必要になる場合があります。また、ゲームによっては表示できません。
Macの場合も、Steamの対応ゲームなどでは、
パフォーマンスモニターを使ってFPSを確認できます[8]。
ただし、利用できる機能はゲームや環境によって異なります。
なお、ここで確認するFPSは、ゲームが出している映像の枚数であり、モニターのHzではありません。
購入前には接続方法も確認する
もう一つ注意したいのが、テレビやモニターの接続方法です。
画面自体が120Hzや240Hzに対応していても、
接続する機器やケーブル、映像入力端子の仕様によって、利用できる解像度やリフレッシュレートは変わります。
例えば、4Kで120Hzを使いたい場合は、
画面だけでなく、接続する機器とHDMI端子なども対応しているかを確認する必要があります。
HDMI 2.0と2.1の違いや、ゲーム機・PCに合った接続方法については、
HDMIの種類と違い|2.0・2.1の性能比較と選び方で詳しく説明しています。
購入するときは、Hzの数字だけで判断せず、
使いたい機器との組み合わせまで確認することが大切です。
リフレッシュレートの確認・変更方法
120Hzや144Hzのモニターを購入しても、
実際の設定が60Hzのままになっている場合があります。
せっかく高いリフレッシュレートに対応していても、
設定が60Hzなら、画面は基本的に1秒間に60回の更新で動作します。
まずは、現在の設定を確認してみましょう。
Windows 11で確認・変更する方法
Windows 11では、次の手順でリフレッシュレートを確認できます[1]。
- 「スタート」から「設定」を開く
- 「システム」→「ディスプレイ」を選ぶ
- 「ディスプレイの詳細設定」を開く
- 現在のリフレッシュレートを確認する
「リフレッシュレートの選択」から、
利用できるHzを変更することもできます。
例えば、144Hz対応のモニターを使っていて、
60Hzに設定されていた場合は、144Hzを選択できるか確認してください。
※表示される選択肢は、モニターやPC、接続方法によって異なります。
Macで確認・変更する方法
Macでも、対応するディスプレイならリフレッシュレートを確認・変更できます[9]。
- Appleメニューから「システム設定」を開く
- 「ディスプレイ」を選ぶ
- 「リフレッシュレート」の項目を確認する
- 変更できる場合は、希望するHzを選ぶ
ただし、すべてのMacで変更できるわけではありません。
例えば、ProMotionに対応したMacBook Proでは、
画面の更新回数を状況に応じて自動調整する機能もあります。
120Hzや144Hzを選べない場合は?
モニターが高いHzに対応していても、
設定画面に60Hzしか表示されないことがあります。
その場合は、次の点を確認してください。
- モニター自体が希望するHzに対応しているか
- PCの映像出力端子が対応しているか
- HDMIやDisplayPortの接続方法に問題がないか
- 現在の画面解像度で、そのHzを使用できるか
例えば、同じモニターでも、
解像度や接続端子によって選択できるHzが変わる場合があります。
また、スマホでは機種によって設定方法が異なり、
リフレッシュレートを自動調整するものもあります。
なお、設定画面で確認できるHzと、ゲームが実際に出しているfpsは別です。
120Hzに設定できたからといって、
すべてのゲームが自動的に120fpsで動くわけではありません。
リフレッシュレートを高くするとデメリットはある?
120Hzや240Hzは画面の動きを滑らかに表示できますが、
数字を大きくすれば、すべてがよくなるわけではありません。
特に注意したいのが、消費電力とゲームを動かす機器への負荷です。
ただし、画面のHzを高くすることと、
ゲームのfpsを高くすることでは、影響する部分が異なります。
高いHzにするとバッテリーの減りが速くなる?
一般的に、画面のリフレッシュレートを高くすると、
ディスプレイの消費電力が増える場合があります。
Microsoftも、ノートPCなどでバッテリーを長持ちさせたい場合には、
リフレッシュレートを下げる方法を案内しています[1]。
例えば、外出先でノートPCを使い、
文書作成やWeb閲覧をするだけなら、常に240Hzで表示する必要はありません。
一方、最近の機器には、画面の動きに合わせてHzを自動調整するものもあります。
Windows 11の「動的リフレッシュレート(DRR)」は、
対応する機器で更新回数を自動調整し、滑らかさと省電力を両立する機能です。
ただし、すべてのPCで利用できるわけではありません。
ゲームのfpsを高くするとPCは熱くなる?
ここで区別したいのが、画面のHzとゲームのfpsです。
例えば、60fpsで動いていたゲームを120fpsで動かそうとすると、
PCは1秒間により多くの映像を作る必要があります。
そのため、ゲームの設定やPCの性能によっては、
CPUやGPU(映像を処理する部品)の負荷が増え、消費電力や発熱が大きくなる場合があります。
AMDも、ゲームのfpsに上限を設定することで、
GPUの消費電力や発熱、ファンの騒音を抑えられると説明しています[10]。
ただし、モニターを240Hzに設定しただけで、必ずPCが高温になるわけではありません。
実際の負荷は、ゲームが何fpsで動いているかや、画質設定などによって変わります。
高いHzを使わないほうがよい場合もある?
例えば、外出先でノートPCのバッテリーを長持ちさせたい場合は、
リフレッシュレートを下げることが選択肢になります。
また、ゲームで高いfpsを出そうとしてPCの発熱やファンの音が気になるなら、
ゲーム側のfps上限を調整する方法もあります。
反対に、動きの速いゲームを快適に楽しみたい場合は、
高いHzやfpsを優先する意味があります。
常に最大のHzやfpsで使う必要はありません。
滑らかさを重視する場面と、消費電力を抑えたい場面で、
設定を使い分けることもできます。
リフレッシュレートは用途に合わせて選ぼう
リフレッシュレートは、画面を1秒間に何回更新するかを表す数字です。
60Hzより120Hz、120Hzより240Hzのほうが、
動きを細かく表示できますが、動画視聴や一般的なPC作業では60Hzでも十分です。
選ぶときは、次のように考えるとわかりやすいでしょう。
- 60Hz:動画視聴やWeb閲覧、一般的なPC作業が中心の人
- 120Hz:スマホのスクロールや、対応するゲームを滑らかに楽しみたい人
- 144Hz:PCゲームを快適に楽しみたい人
- 240Hz:動きの速い対戦ゲームなどで、さらに高い性能を求める人
ただし、画面のHzと、ゲームや動画のfpsは別の数字です。
240Hz対応のモニターを購入しても、
ゲームが自動的に240fpsで動くわけではありません。
また、接続する機器やケーブル、設定によっても、
実際に利用できるリフレッシュレートは変わります。
大切なのは、最も大きい数字を選ぶことではなく、
普段の使い方で、その性能を生かせるかどうかです。
購入前には、使いたい機器の対応状況も確認して、
自分に合ったリフレッシュレートを選びましょう。
参考資料
[1]Microsoft
Windows でモニターのリフレッシュ レートを変更する
[2]Adobe
フレームレートとは?
[3]Intel
What Is Refresh Rate and Why Is It Important?
[4]Lin Shi(2017)
An Evaluation of an LCD Display With 240 Hz Frame Rate for Visual Psychophysics Experiments
掲載誌:i-Perception
[5]PlayStation
PS5の解像度を変更する方法
[6]任天堂
Nintendo Switch 2|機能・仕様
[7]Intel
Windows 11でFPSカウンターを有効にする方法
[8]Steam Support
Understanding the In-Game Overlay Performance Monitor
[9]Apple
MacBook ProやApple製のディスプレイでリフレッシュレートを変更する
[10]AMD
AMD Frame Rate Target Control