規格・基準・法律

PSE法(電気用品安全法)とは?PSEマークの意味・対象製品・販売ルールを解説

家電や充電器、電源コードなどの電気製品を買うときや、
海外から仕入れて販売しようとしたときに、
「PSE法」という言葉を目にすることがあります。

自分で使う場合に確認することと、
製造・輸入・販売する場合に必要な対応は、
それぞれ異なります。

また、すべての電気製品が対象になるわけではなく、
対象製品や守るべきルールも決められています。


PSE法(電気用品安全法)とは

PSE法は、電気製品による感電や火災などの事故を防ぐために、
対象となる電気用品の製造・輸入・販売に関するルールを定めた法律です。

正式名称は「電気用品安全法」で、
「PSE法」は一般的に使われている呼び方です。

すべての電気製品が対象になるわけではなく、
法令で指定された製品に適用されます。

PSE法で決められていること

製造や輸入を行う事業者には、
技術基準への適合や製品の検査などが求められます。

販売する事業者は、
必要な表示が付いていることを確認しなければなりません。

主なルールは次のとおりです。

  • 製造・輸入事業の届出
  • 技術基準への適合
  • 製品の検査
  • 検査記録の保存
  • PSEマークなどの表示
  • 表示のない対象製品の販売禁止

製造・輸入・販売では、
それぞれ守る内容が異なります。


PSE法の対象になる製品

PSE法の対象は、法令で
「電気用品」として指定された製品です。

対象となる製品は、
危険が生じるおそれに応じて、
次の2つに分けられます。

特定電気用品

使用方法や構造などから、
危険が生じるおそれが高い電気用品です。

主な例は次のとおりです。

  • 電源プラグ
  • 延長コード
  • ACアダプター
  • 一部のヒューズ

製造・輸入する場合は、
登録検査機関による適合性検査が必要です。

特定電気用品以外の電気用品

特定電気用品を除く、
PSE法の対象製品です。

主な例は次のとおりです。

  • 電気冷蔵庫
  • 電気洗濯機
  • 扇風機
  • モバイルバッテリー

製造・輸入する事業者が
技術基準への適合を確認し、
製品ごとに自主検査を行います。

対象となるかは、
用途や動作原理、構造、
定格電圧・定格消費電力など、
法令で定められた条件によって決まります。


電気製品は誰でも販売できる?

PSE法の対象製品を事業として販売する場合は、
必要な手続きが行われ、PSEマークなどの表示が付いた製品でなければ販売できません。

販売する人に必要な対応は、
製品の入手方法によって変わります。

国内で仕入れて販売する場合

国内のメーカーや輸入事業者から仕入れる場合は、
販売前にPSEマークなどの表示を確認します。

販売事業者に、
製造・輸入事業者と同じ届出や検査は求められません。

海外から輸入して販売する場合

海外から電気製品を仕入れて販売する人は、
輸入事業者としてPSE法への対応が必要です。

主な対応は次のとおりです。

  • 輸入事業の届出
  • 技術基準への適合確認
  • 製品の検査
  • 検査記録の保存
  • PSEマークなどの表示

少量の仕入れや個人事業であっても、
事業として輸入・販売する場合は同じルールが適用されます。
出典:経済産業省「届出・手続の流れ」

海外事業者が日本へ直接販売する場合

2025年12月25日から、
日本の消費者へ対象製品を直接販売する海外事業者も、
PSE法の規制対象になりました。

対象となる海外事業者には、
特定輸入事業者としての届出や技術基準への適合確認、
国内管理人の選任などが求められます。

出典:経済産業省「海外事業者が製品安全4法の規制対象となりました」

中古品をフリマアプリなどで販売する場合

中古品もPSE法の対象製品であれば、
事業として販売する際にPSE表示を確認します。

継続的または繰り返し行わない個人売買は、
販売事業には当たりません。

一方、商品を仕入れて繰り返し販売する場合は、
販売事業者としての確認が必要です。

メルカリなどのフリマアプリや、
ネットショップで販売する場合も、
販売の実態に応じてPSE法が適用されます。
出典:近畿経済産業局「電気用品安全法FAQ」


PSEマークは何を示している?

PSEマークは、PSE法の対象製品について、
製造・輸入事業者が必要な手続きを行ったことを示す表示です。

技術基準への適合を確認し、
製品の検査を行ったうえで表示します。

PSEマークは2種類ある

電気製品の銘板に表示されたひし形と丸形のPSEマークおよび定格電圧100V・15A・周波数50/60Hzのラベル
本体ラベルに表示されたPSEマーク(ひし形/丸形)

PSEマークは、
電気用品の区分によって形が異なります。

  • ひし形:特定電気用品
  • 丸形:特定電気用品以外の電気用品

PSE法の対象製品を販売するときは、
製品の区分に合ったPSEマークなどの表示が必要です。


PSEマークがない製品の扱い

PSE法の対象製品は、
PSEマークなどの表示が付いていなければ、
原則として販売できません。

販売目的で店頭やネットショップに
掲載することも禁止されています。
出典:経済産業省「電気用品安全法の概要」

販売する場合

販売事業者が独自に検査を行い、
PSEマークを追加することはできません。

PSEマークを表示できるのは、
必要な手続きを行った
届出事業者です。

自分で使う場合

一般の使用者が自宅で使う行為は、
PSE法による販売規制の対象ではありません。

PSEマークが見当たらない場合は、
製品がPSE法の対象か、
表示が別の場所に付いていないかを確認します。


PSE法の対象製品を確認する方法

2026年8月時点で、
PSE法では457品目が
「電気用品」として指定されています。

  • 特定電気用品:116品目
  • 特定電気用品以外の電気用品:341品目

出典:経済産業省「電気用品名の確認」

対象範囲は、
用途・動作原理・構造・定格電圧・定格消費電力など、
法令で定められた条件によって決まります。

法令上の「電気用品名」で確認する

店頭や商品ページで使われる名称と、
法令上の電気用品名が異なる場合があります。

たとえば、ACアダプターは、
「直流電源装置」に分類されます。

ACアダプターのみで動作する製品は、
基本的にACアダプターがPSE法の対象となり、
製品本体は対象外
です。

対象範囲は、経済産業省が公開している
品目一覧や対象・非対象の解釈例と照らして確認します。


PSE法に違反するとどうなる?

PSE法では、事業者に報告を求めたり、
立入検査を行ったりすることがあります。

違反が確認された場合は、
改善命令などの対象になります。

違反の内容によっては、
販売停止や製品の回収などを
求められる場合もあります。

表示のない対象製品を販売した場合

PSEマークなどの表示が必要な製品を、
表示のない状態で販売したり、
販売目的で陳列したりする行為は法律違反です。

また、届出事業者以外の者が
PSEマークを付ける行為や、
必要な義務を履行せずに表示する行為も禁止されています。

これらの違反をした人には、
1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、
もしくはその両方が科されることがあります。

法人の業務として行われた場合は、
行為者に加えて、
法人にも100万円以下の罰金が科されることがあります。

出典:e-Gov法令検索「電気用品安全法」第57条・第59条

行政命令に違反した場合

経済産業大臣は、
違反の内容に応じて、
PSEマークの表示禁止や製品の回収などを命じることがあります。

表示禁止命令や危険等防止命令に違反した人には、
1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、
もしくはその両方が科されることがあります。

法人の業務として行われた場合は、
行為者に加えて、
法人にも1億円以下の罰金が科されることがあります。

出典:e-Gov法令検索「電気用品安全法」第57条・第59条

購入した人の責任

PSE法による規制の中心は、
製品を製造・輸入・販売する事業者です。

一般の人が家庭で購入・使用したことだけで、
販売事業者と同じ責任を負うことはありません。

ただし、表示のない対象製品は、
適合確認や検査の状況を確認できないため、
販売元へ確認したうえで、購入を控えるなどの対応を行います。


PSE法の対象外・例外となる製品

PSE法は、施行令で指定された
電気用品に適用されます。

製品の用途・構造・定格などが
指定された範囲から外れるものは、
PSE法の対象外です。

製品本体と付属品は分けて確認する

ノートパソコンでは、
ACアダプターが「直流電源装置」として対象になり、
製品本体は対象外です。

製品本体が対象外でも、
同梱するACアダプターや電源コードが
対象になることがあります。

例外承認を受ける場合

特定の用途で販売する製品には、
例外承認制度があります。

主な例は次のとおりです。

  • 海外旅行者向けのツーリストモデル
  • アンティーク照明器具
  • ビンテージの電気楽器

例外として扱うには、
経済産業大臣の承認が必要です。
出典:経済産業省「例外承認制度」

製造・輸入事業の届出も行います。


PSEマークなどの表示を確認する場所

PSE法に基づく表示は、
製品本体やACアダプターなどの
銘板で確認できます。

表示される主な内容は、
次のとおりです。

  • PSEマーク
  • 届出製造事業者または届出輸入事業者の名称
  • 定格電圧
  • 定格電流
  • 消費電力などの仕様

特定電気用品には、
登録検査機関の名称や略称も表示されます。

販売事業者は、
仕入れた製品の表示を確認してから販売します。

購入する場合も、
商品説明だけでなく、
製品や電源部の銘板を確認します。


まとめ

PSE法(電気用品安全法)は、
電気製品による感電や火災を防ぐために、
対象となる電気用品の製造・輸入・販売に関するルールを定めた法律です。

2026年8月時点では、
457品目が対象に指定されています。

  • 特定電気用品:116品目
  • 特定電気用品以外の電気用品:341品目

製造・輸入事業者には、
届出や技術基準への適合確認、
検査、記録の保存、表示などが求められます。

国内で仕入れて販売する事業者は、
PSEマークや事業者名などの表示を確認します。

海外から仕入れて販売する場合は、
販売者が輸入事業者となり、
輸入事業者としての対応が必要です。

例外承認を受けた場合などを除き、
PSE表示のない対象製品は販売できません。

対象となるかは、
用途・動作原理・構造・定格などの条件によって決まります。

購入や販売の前に、
製品本体やACアダプターの銘板を確認することが重要です。


参考資料

  • 経済産業省「届出・手続の流れ」
  • 経済産業省「海外事業者が製品安全4法の規制対象となりました」
  • 近畿経済産業局「電気用品安全法FAQ」
  • 経済産業省「電気用品安全法の概要」
  • 経済産業省「電気用品名の確認」
  • e-Gov法令検索「電気用品安全法」
  • 経済産業省「例外承認制度」

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