製品や部品のラベル、仕様書を見ると、
「JIS B ○○○○」「JIS C ○○○○」などの表示を見かけることがあります。
また、JISマークが付いている製品もあり、
規格番号とJISマークがそれぞれ何を意味するのか分かりにくいことがあります。
この記事では、JIS規格の意味や規格番号の見方、
JISマークが何を示しているのかをわかりやすく解説します。
JIS規格とは
JIS規格とは、製品や材料、試験方法、表示方法などについて、
日本国内で共通して使える基準を定めた国家規格です。
JISは「Japanese Industrial Standards」の略で、
日本語では「日本産業規格」と呼ばれます。
たとえば、製品の寸法や材質、性能、試験方法、
用語や記号など、さまざまな内容について規格が定められています。
同じJIS規格を基準にすることで、メーカーや製品が違っても、
寸法や性能、試験方法などを共通の基準で確認できるようになります。
ただし、JIS規格はすべての製品に一律で適用されるものではなく、
製品や分野ごとにさまざまな規格が定められています。[1]
JIS規格番号はどう見る?
JISには、それぞれの規格を区別するために
「JIS B 〇〇〇〇」「JIS C 〇〇〇〇」のような規格番号が付けられています。
基本的な構成は、
アルファベットの部門記号+数字の分類番号です。
たとえば、
- JIS A:土木・建築
- JIS B:一般機械
- JIS C:電子機器・電気機械
- JIS G:鉄鋼
- JIS X:情報処理
のように、アルファベットによって
その規格が属する分野を確認できます。
後ろの数字は、その分野の中で
個々の規格を識別するための番号です。
分類番号は原則として4桁ですが、
国際規格との対応などにより5桁以上になるものもあります。[1]
また、
「JIS G 3112:2025」
のように末尾に「:2025」と付いている場合は、
その版が制定または改正された年を表します。
同じ規格番号でも改正されることがあるため、
規格を正確に確認するときは番号だけでなく年まで見ることがあります。
JISマークとは
JISマークとは、製品などが対象となるJISに適合していることを、
登録認証機関の認証によって示すマークです。[2]
JISマークを表示できるのは、
国に登録された「登録認証機関」から認証を受けた事業者です。

つまり、JIS規格が存在するだけで
自動的にJISマークを付けられるわけではありません。
認証では、対象となるJISへの適合だけでなく、
製品試験や品質管理体制なども確認されます。[2]
JISマーク表示では、
- JIS規格番号
- 種類や等級
- 登録認証機関の名称や略称
- 認証取得者を識別する表示
などが確認できます。[3]
そのためJISマークを見るときは、
マークだけでなく、JIS規格番号や周囲の表示も確認すると、
何の規格に適合しているのかを判断しやすくなります。
JIS規格はどこで確認できる?
JIS規格への対応や規格番号は、
製品本体だけでなく、仕様書やカタログなどに表示されていることがあります。
主な確認場所は次のとおりです。
- 製品本体のラベルや銘板
- 製品への刻印
- 包装や外箱
- 仕様書
- カタログ
- メーカーの製品資料
表示方法は製品によって異なり、
「JIS G 3112」「JIS C 〇〇〇〇」のように規格番号だけが記載されている場合もあります。
また、JISに関係する製品でも、
必ずJISマークが付いているわけではありません。
JISマークは認証を受けた事業者が表示するもので、
JIS規格そのものの存在とは別に考える必要があります。
そのため、JISへの対応を確認するときは、
JISマークの有無だけでなく、規格番号や製品資料も確認するのが基本です。
JIS規格は守る義務がある?
JISは国家規格ですが、
JISそのものは原則として任意の規格です。[1]
そのため、JISが存在する製品だからといって、
すべてのメーカーや製品にJISへの適合が義務付けられるわけではありません。
ただし、法律や省令などで特定のJISが引用されている場合は、
その法令の中でJISへの適合が求められることがあります。
また、JISマークを表示する場合は、
対象となるJISへの適合や認証制度で定められた条件を満たす必要があります。
つまり、JISを見るときは、
「JISだから必ず守る義務がある」と考えるのではなく、
その規格が法令などでどのように使われているかまで確認することが大切です。
JIS規格は誰が決めている?
JISは、産業標準化法に基づいて主務大臣が制定・改正する国家規格です。[4]
主務大臣とは、
そのJISが扱う分野を担当する大臣のことです。
JISは経済産業分野のものが多いため経済産業大臣が担当するものが多いですが、
内容によっては厚生労働大臣や国土交通大臣などが担当する場合もあります。
多くのJISでは、工業会や学会などで規格の原案が作られ、
日本産業標準調査会(JISC)で審議されたあと、主務大臣によって制定・改正されます。[5]
そのためJISは、特定のメーカーが独自に決めた基準ではなく、
国の制度に基づいて定められる日本の国家規格です。
JIS規格は改正・廃止されることがある
JISは一度制定されたら、その内容が
ずっと同じまま使われ続けるわけではありません。
技術や製品、社会環境の変化に合わせて見直され、
必要に応じて確認・改正・廃止が行われます。[1]
「確認」は、現在の内容を変更せず、
そのまま規格として継続することです。
「改正」は、規格の内容を変更することで、
この場合は「JIS G 3112:2025」のような末尾の年も改正された年に変わります。
一方、内容を変更せず「確認」された場合は、
規格番号の末尾の年は変わりません。
また、規格としての役割を終えた場合や、
別のJISへ統合される場合などには廃止されることもあります。
そのため、JIS規格を正確に確認するときは、
規格番号だけでなく、現在も有効な規格かどうかまで確認することが大切です。
まとめ
JIS規格は、製品や材料、試験方法、表示方法などについて、
日本国内で共通して使える基準を定めた国家規格です。
「JIS B」「JIS C」などのアルファベットは規格の分野を表し、
後ろの数字によって個々のJIS規格を識別できます。
JISマークは、対象となるJISへの適合について
登録認証機関の認証を受けたことを示すマークです。
JISそのものは原則として任意の規格ですが、
法令などで引用され、適合が求められる場合もあります。
規格は改正や廃止が行われることもあるため、
確認するときは規格番号や発行年、現在の有効性まで見ることが大切です。
参考資料・出典
[2]日本産業標準調査会(JISC)「JISマーク表示制度」
[3]日本産業標準調査会(JISC)「JISマーク表示からわかること」
[4]e-Gov法令検索「産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)」
[5]日本産業標準調査会(JISC)「JISに関するQ&A」