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PSE法(電気用品安全法)とは?PSEマークの意味・対象製品・販売ルールを解説

PSE法(電気用品安全法)とは?のアイキャッチ

家電製品やACアダプター、電源コードなどには、「PSE」と書かれたマークが表示されていることがあります。

このマークは、日本の電気用品安全法(PSE法)に基づくものです。

電気用品安全法では、対象製品の製造・輸入・販売について、安全性を確保するためのルールが定められています。

購入して使用する場合と、製品を仕入れて販売する場合では、確認する内容も異なります。

この記事では、PSE法の意味や対象製品、PSEマークの種類、国内販売・輸入販売のルールを解説します。


PSE法(電気用品安全法)とは

PSE法とは、正式名称を「電気用品安全法」といい、電気用品による感電や火災などの事故を防ぐための法律です。

法律では、対象となる電気用品の製造・輸入・販売について、必要な手続きや安全基準などを定めています。

主な内容は次のとおりです。

  • 製造・輸入事業の届出
  • 国が定める技術基準への適合
  • 製品の検査と検査記録の保存
  • PSEマークなどの表示
  • 必要な表示がない対象製品の販売制限

電気用品安全法は、すべての電気製品に適用される法律ではなく、法令で指定された製品を対象としています。

経済産業省は、法律の対象となる電気用品を457品目と説明しています。[1]


PSE法の対象になる製品

電気用品安全法の対象は、法令で「電気用品」として指定された製品です。

2026年10月時点で、対象となる457品目は次の2つに分類されています。[1]

分類品目数PSEマーク
特定電気用品116品目ひし形
特定電気用品以外の電気用品341品目丸形

特定電気用品

特定電気用品は、構造や使用方法などから、感電や火災などの危険が生じるおそれが高いものとして指定された電気用品です。

主な例には、次のような製品があります。

  • 差込みプラグ
  • 延長コードセット
  • ACアダプター(直流電源装置)
  • 一部のヒューズ

特定電気用品では、製造・輸入事業者による検査に加え、国に登録された検査機関による適合性検査が必要です。

特定電気用品以外の電気用品

こちらは、PSE法の対象製品のうち、特定電気用品を除いたものです。

主な例には、次のような製品があります。

  • 電気冷蔵庫
  • 電気洗濯機
  • 扇風機
  • 電気照明器具
  • 対象となるリチウムイオン蓄電池(モバイルバッテリーなど)

製造・輸入事業者は、技術基準への適合を確認し、法令で定められた検査を実施する必要があります。

対象になるかは製品の仕様で決まる

同じような用途の製品でも、構造や電源方式、定格などによってPSE法の対象範囲が変わることがあります。

モバイルバッテリーも、製品の構造や内蔵電池の仕様などによって対象となるかが決まります。

ノートパソコンのように、製品本体は対象外でも、付属するACアダプターや電源コードが対象になる場合があります。

製品名だけで判断せず、法令上の「電気用品名」と対象条件を確認することが重要です。

経済産業省では、製品ごとの対象・非対象の解釈例を公開しています。[2]


PSEマークは何を示している?

PSEマークは、対象となる電気用品について、製造・輸入事業者が法律で定められた義務を履行したことを示す表示です。

PSEマークには、ひし形と丸形の2種類があります。

電気製品の銘板に表示されたひし形と丸形のPSEマークおよび定格電圧100V・15A・周波数50/60Hzのラベル
本体ラベルに表示されたPSEマーク(ひし形/丸形)と電圧・電流・周波数情報(日本での使用可否を判断するための表示)
  • ひし形のPSEマーク:特定電気用品
  • 丸形のPSEマーク:特定電気用品以外の電気用品

ひし形の対象製品では、登録検査機関による適合性検査も必要になります。

PSEマークは、国が個々の製品を審査して認証したことを示すものではありません。

法律上の手続きを行った製造・輸入事業者が、自らの責任で表示します。[3]

PSEマークと一緒に確認する表示

製品本体やACアダプターのラベルには、PSEマーク以外にも確認すべき情報があります。

主な項目は次のとおりです。

表示項目確認する内容
PSEマークひし形・丸形の区分
届出事業者名製造・輸入に責任を持つ事業者
登録検査機関名特定電気用品で必要となる表示
定格電圧・電流など製品の電源仕様

必要な表示項目は電気用品の種類によって異なります。[4]

購入するときは、商品ページの説明だけでなく、可能であれば製品本体や電源部のラベルも確認してください。

ひし形と丸形の違いや、マークの詳しい見方については、PSEマークとは?意味や種類・ひし形と丸形の違いで解説しています。


電気製品を製造・輸入・販売するときのルール

PSE法では、製造・輸入する事業者と、国内で仕入れて販売する事業者で必要な対応が異なります。

事業者の立場主な義務・確認事項
国内で製造する事業届出、技術基準への適合、検査、記録保存、表示など
海外から輸入する輸入事業の届出、技術基準への適合、検査、記録保存、表示など
国内で仕入れて販売する法律で定められた表示が付いているか確認する

製造・輸入事業の届出はどこで行う?

PSE法の対象製品を製造・輸入する事業者は、原則として事業所などを管轄する経済産業局へ、事業開始の日から30日以内に届出を行います。

届出は、経済産業省の電子申請システム「保安ネット」からオンラインで行えます。利用にはGビズIDプライムが必要です。

詳しい手続きは、経済産業省「保安ネット」で確認できます。

国内で製造する場合

PSE法の対象となる電気用品を事業として製造する場合は、製造事業の届出が必要です。

届出事業者には、技術基準への適合確認や検査、検査記録の保存などが求められます。

特定電気用品では、登録検査機関による適合性検査も必要です。

検査記録は、法令に従って検査の日から3年間保存します。[4]

海外から輸入して販売する場合

海外から対象製品を仕入れ、日本国内で販売する場合は、輸入事業者としてPSE法への対応が必要です。

少量の仕入れや個人事業であっても、事業として輸入・販売する場合は、必要な手続きを行います。

海外の製品にCEマークやUL認証マークが付いていても、日本の電気用品安全法に基づく義務は別途確認する必要があります。

経済産業省も、海外の規格に適合した製品を輸入する場合は、日本の技術基準への適合確認などが必要と案内しています。[5]

海外メーカーがPSEマーク付きで販売している製品でも、輸入事業者が負う義務を確認する必要があります。

国内で仕入れて販売する場合

国内のメーカーや輸入事業者から仕入れて販売する場合、通常の販売事業者には、製造・輸入事業者と同じ事業届出や製品検査は求められません。

販売前には、PSEマークや届出事業者名など、法律で定められた表示を確認します。

表示がない対象製品を仕入れた場合、販売事業者が独自に検査してPSEマークを追加することはできません。

必要な表示が確認できない場合は、仕入先に確認してください。


海外事業者が日本へ直接販売する場合

2025年12月25日から、製品安全4法の改正法が施行され、海外事業者に対する規制が拡大されました。

日本国内の輸入事業者を介さず、オンラインモールなどを通じて、日本の消費者へ対象製品を直接販売する海外事業者も規制対象となっています。[6]

対象となる海外事業者は、「特定輸入事業者」として、次のような対応が必要です。

  • 特定輸入事業の届出
  • 技術基準への適合確認
  • 法令で定められた検査
  • PSEマークなどの表示
  • 国内管理人の選任

国内管理人とは、日本国内で製品の安全性確保に必要な対応を担う者です。

この改正により、海外の販売事業者が日本の消費者へ直接販売する場合にも、国内での安全管理に関する責任を明確にする仕組みが設けられました。

国内の輸入事業者に対する従来の規制も引き続き適用されます。


中古品をフリマアプリで販売する場合

中古の電気製品も、PSE法の対象となる場合があります。

フリマアプリやネットオークションで販売するときは、個人間の一時的な売買か、事業として行う販売かが重要です。

近畿経済産業局は、継続的または反復的に行われない個人売買を、製造・輸入・販売の「事業」から除いて説明しています。[7]

自宅で使っていた製品を一度だけ売却する場合と、商品を仕入れて繰り返し販売する場合では、取り扱いが異なります。

事業として中古の対象製品を販売する場合は、PSEマークまたは旧法に基づく適法な表示を確認する必要があります。

2007年12月21日の法改正により、旧電気用品取締法に基づく表示も現行のPSE表示と同じものとして扱われ、販売できるようになりました。[8]

フリマアプリを利用しているか、実店舗で販売しているかという販売方法だけで判断するものではありません。

販売の実態に応じて、法律上の事業者に該当するかを確認します。


PSEマークがない製品は販売できる?

PSE法の対象となる電気用品は、法律で定められた表示が必要です。

現行のPSEマークに加えて、旧電気用品取締法に基づく適法な表示も認められています。[8]

電気用品安全法第27条では、法律に基づく表示がない対象製品の販売や、販売目的での陳列を制限しています。

ネットショップでの販売にも、この規制が関係します。

PSEマークが見当たらない場合

PSEマークが見つからない場合は、次の点を確認します。

  • その製品がPSE法の対象か
  • 製品本体や付属電源に表示があるか
  • 必要な届出事業者名などの表示があるか
  • 古い製品の場合は、旧法に基づく表示があるか
  • 法律上の例外に該当するか

製品本体が対象外でも、付属のACアダプターが対象になる場合があります。

対象製品で必要な表示がない場合は、製造元や販売元へ確認してください。

自分で購入して使用する場合

一般の購入者が電気製品を家庭で使用する行為は、PSE法の販売規制とは区別されます。

一方で、PSEマークがない製品については、国内の技術基準への適合状況や安全性を十分に確認できない場合があります。

購入するときは、PSE法の対象となる製品か、必要な表示があるかを確認することが重要です。

海外製品の使用条件については、海外製品は日本で使える?法律・安全性・電源仕様の確認ポイントで詳しく説明しています。


PSE法の対象外・例外となる製品

電気用品安全法は、法令で指定された電気用品に適用されます。

対象となる電気用品名や仕様の条件に該当しない製品は、PSE法の対象外です。

対象になるかは、製品の用途・構造・電源方式・定格などを確認して判断します。

製品本体と付属品は分けて確認する

一般的なノートパソコンでは、本体がPSE法の対象外でも、付属するACアダプターが「直流電源装置」として対象になります。

電源コードやリチウムイオン蓄電池など、付属品も構造や販売形態によって個別の確認が必要です。

製品を輸入するときは、本体だけでなく同梱品も確認してください。

例外承認制度

PSE法には、特定の用途で販売する電気用品について、経済産業大臣の承認を受ける制度があります。

例として、海外旅行者向けのツーリストモデルや、アンティーク照明器具、ビンテージの電気楽器などが挙げられます。

例外として扱うには、対象となる条件を満たしたうえで、必要な承認を受けなければなりません。[9]

古い製品や海外製品という理由だけで、自動的に例外扱いになるものではありません。


PSE法に違反するとどうなる?

電気用品安全法に違反した場合は、違反内容に応じて行政上の措置や刑事罰の対象になります。

法律では、報告徴収や立入検査、表示禁止命令、危険等防止命令などの仕組みが定められています。

PSE表示のない対象製品を販売した場合

電気用品安全法第27条第1項に違反し、法律で認められた表示がない対象製品を販売したり、販売目的で陳列したりした場合は、次の罰則が規定されています。

1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、もしくはその両方

法人の業務として違反した場合は、行為者に加え、法人にも罰金が科されることがあります。

この場合の法人に対する罰金は、100万円以下と定められています。[10]

行政命令に違反した場合

法律に基づく表示禁止命令や危険等防止命令などに違反した場合も、罰則の対象です。

違反の種類によっては、行為者への罰則に加え、法人に1億円以下の罰金が規定されています。

これはすべてのPSE法違反に一律に適用される金額ではなく、法律で指定された違反行為に対するものです。

詳細は、電気用品安全法第57条から第59条で確認できます。[10]


PSE法の対象製品を確認する方法

製品がPSE法の対象になるか調べるときは、経済産業省が公開する電気用品名の一覧を確認します。

確認する流れは次のとおりです。

  1. 製品の用途や電源方式を確認する
  2. 法令上の電気用品名に該当するか調べる
  3. 定格電圧や消費電力などの対象条件を確認する
  4. 特定電気用品か、それ以外の電気用品か確認する
  5. 必要なPSEマークや事業者表示を確認する

商品名と法令上の電気用品名が異なる場合もあります。

ACアダプターであれば「直流電源装置」、一定のモバイルバッテリーであれば「リチウムイオン蓄電池」として確認します。

製品ごとの対象条件は、経済産業省の対象・非対象解釈例一覧で確認できます。


まとめ

PSE法(電気用品安全法)は、電気用品による感電や火災などの事故を防ぐため、対象製品の製造・輸入・販売について定めた法律です。

2026年10月時点で457品目が指定されており、特定電気用品116品目と、それ以外の341品目に分類されています。

PSEマークは、法律で定められた義務を履行した事業者が表示するもので、ひし形と丸形の2種類があります。

製造・輸入事業者には届出や技術基準への適合、検査などが求められます。国内の販売事業者は、必要なPSE表示が付いているかを確認します。

旧電気用品取締法に基づく適法な表示も、現行のPSE表示と同じものとして扱われます。

海外から輸入して販売する場合や、海外事業者が日本へ直接販売する場合にも、法律に基づく対応が必要です。

製品を購入・販売するときは、PSE法の対象製品かどうかと、法律で認められた表示が付いているかを確認してください。


参考資料

[1]経済産業省|製品安全法令の概要
電気用品安全法の目的、対象457品目、特定電気用品116品目と特定電気用品以外341品目の区分を確認。

[2]経済産業省|対象非対象解釈例一覧(電気用品別)
製品の用途・構造・定格などによる対象範囲と、法令上の電気用品名を確認。

[3]経済産業省|電気用品安全法は認証制度ではありません(PDF)
PSEマークの意味と、表示に関する製造・輸入事業者の責任を確認。

[4]近畿経済産業局|電気用品安全法 手続きの流れについて
届出、技術基準への適合、検査記録の3年間保存、PSE表示、販売制限を確認。

[5]関東経済産業局|電気用品輸入事業者の皆様へ
輸入事業者の義務と、CEマーク・UL認証マークがある製品の取り扱いを確認。

[6]経済産業省|海外事業者が製品安全4法の規制対象となりました
2025年12月25日施行の制度改正、特定輸入事業者、国内管理人の選任について確認。

[7]近畿経済産業局|電気用品安全法FAQ

製造・輸入・販売の定義、個人売買と販売事業の区別について確認。

[8]経済産業省|電気用品販売事業者の皆様へ(2007年改正・PDF)
2007年12月21日の法改正により、旧電気用品取締法に基づく表示が現行のPSE表示と同じものとして扱われることを確認。

[9]経済産業省|例外承認制度
ツーリストモデル、アンティーク照明器具、ビンテージ製品などの例外承認について確認。

[10]e-Gov法令検索|電気用品安全法
第27条の販売制限、第57条から第59条の罰則と法人に対する罰金を確認。


関連用語

-規格・基準・法律