バッテリーは満充電になれば、
そこで充電が終わるように思えます。
ところが、充電器によっては
満充電になったあとも小さな電流を流し、
バッテリーの状態を維持するものがあります。
このような充電方法のひとつが、
「トリクル充電」です。
満充電後のバッテリーに、
どのように電流を流して状態を保つのかがポイントになります。
トリクル充電は小さな電流を流す充電方式
バッテリーは、使っていなくても
少しずつ電気が減っていく「自己放電」が起こります。
トリクル充電は、
ごく小さな電流でバッテリーを充電する方式です。
満充電後の維持充電として使われる場合は、
自己放電で減った分を補うように小さな電流を流し、
満充電またはそれに近い状態を保ちます。
イメージすると、
通常の充電 → 満充電 → 小さな電流で状態を維持
という流れです。
ただし、すべてのバッテリーが
満充電後にこの方法で充電を続けるわけではありません。
満充電で充電を終了するものや、
電圧が下がったときに再び充電するものもあり、
電池の種類や充電方式によって満充電後の制御は異なります。
また、「トリクル充電」は、
満充電後の維持充電とは別の意味で使われることがあります。
充電制御ICなどの技術資料では、
深く放電したバッテリーに対して、
充電開始時にごく小さな電流を流す段階を
「Trickle Charge」と呼ぶ例もあります。[1]
トリクル充電と似た維持充電もある
バッテリーの充電状態を保つ方法には、
トリクル充電以外にも「フロート充電」があります。
トリクル充電が小さな充電電流で自己放電を補うのに対し、
フロート充電は一定の電圧を保ちながら、必要な分だけ充電電流が流れる方式です。[2]
どちらもバッテリーを待機状態で維持する用途に使われますが、
充電のしかたは同じではありません。
製品によって使われている方式が異なるため、
実際の充電方法は取扱説明書や仕様書で確認します。
長期間つないだまま使う場合は充電方式を確認する
バッテリーを充電器につないだまま長期間置くことがある場合は、
満充電後にどのような充電制御を行う製品か確認しておくと、
長期接続に向いているか判断しやすくなります。
取扱説明書や仕様書では、
- トリクル充電
- Trickle Charge
- Trickle Charging
- 維持充電
- フロート充電
などの表記が使われることがあります。
ただし、「Trickle Charge」などは満充電後の維持充電ではなく、
充電開始時の小電流充電を指す場合もあります。
また、「維持充電」はトリクル充電だけを指す名称ではなく、
ほかの維持充電方式に使われることもあります。
長期接続して使いたい場合は、
取扱説明書や仕様書で満充電後の充電方法や、
長期接続に対応しているかを確認します。
まとめ
トリクル充電とは、
ごく小さな電流でバッテリーを充電する方式です。
満充電後の維持充電として使われる場合は、
自己放電で減った分を補いながら、
満充電に近い状態を保ちます。
一方で、「Trickle Charge」は
深く放電したバッテリーへの初期充電を指す場合もあります。
また、フロート充電など別の維持充電方式もあるため、
長期間つないだまま使う場合は、
取扱説明書や仕様書で満充電後の充電方法を確認します。
参考資料・出典
[1]ルネサス エレクトロニクス「RAA489108|USB PD EPR対応 昇降圧ナローVDCバッテリチャージャ」
[2]パナソニック「制御弁式鉛蓄電池 充電について」