海外製品や電気機器のラベルには、「TÜV」という文字や認証マークが表示されていることがあります。
TÜV(テュフ)は、製品の安全性や品質などについて、第三者の立場で試験・評価・認証を行う機関の名称に使われています。
製品にTÜVの認証マークがある場合は、決められた規格や基準に基づいて評価を受けたことを示しています。
TÜVには複数の機関があり、認証マークの種類によって確認された内容も異なります。
この記事では、TÜV認証の意味とマークの見方、認証内容の確認方法、CEマークやGSマークとの違いを解説します。
TÜV認証とは?
TÜV認証とは、TÜV各社が製品などを試験・評価し、定められた規格や要求事項への適合を確認する第三者認証です。
TÜVは、ドイツ語の「Technischer Überwachungsverein(技術監督協会)」に由来する名称です。
現在は、複数のTÜV機関がそれぞれ試験や認証を行っています。
代表的な機関には、次のようなものがあります。
- TÜV Rheinland(テュフ ラインランド)
- TÜV SÜD(テュフ ズード)
- TÜV NORD(テュフ ノルド)
これらは、それぞれ独立した機関です。
認証する内容は製品や制度によって異なり、製品の安全性、性能、品質、規格への適合などが評価の対象になります。
電気製品では、感電や発熱に関する安全性、製品の構造などが評価されることがあります。
TÜVの認証マークを見るときは、どの機関が認証し、何について確認したものなのかが重要です。
TÜVマークの意味と見方
TÜVの認証マークは、認証を行った機関や認証内容によってデザインが異なります。
製品本体の銘板ラベルやパッケージなどに表示されることがあります。

写真は、製品の銘板に表示されたTÜV Rheinlandのマークの例です。
TÜVの文字に加えて、認証機関の名称や認証番号などが記載されている場合があります。
マークのどこを確認する?
TÜVのマークを見るときは、次の項目を確認します。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 認証機関名 | TÜV Rheinland、TÜV SÜDなど |
| 認証マークの種類 | 安全性や性能など、何に関する認証か |
| 認証番号・ID | 認証情報を調べるための番号 |
| 製品名・型番 | 認証された製品と一致しているか |
| 認証の状態 | 認証が現在も有効か |
認証マークの意味を詳しく調べたい場合は、発行した機関の公式サイトで認証情報を確認します。
TÜV Rheinlandの認証を確認する方法
TÜV Rheinlandには、Certipedia(サーティペディア)という公式認証データベースがあります。
確認方法は次のとおりです。
- Certipedia公式サイトを開く
- 認証マークに記載されたID番号を入力する
- 製品名や型番を確認する
- 認証内容や適用される基準を確認する
認証マークにQRコードが付いている場合は、そこから認証情報を確認できることもあります。
TÜV Rheinlandは、認証マークのID番号やQRコードを使って、認証の真正性を確認する方法を案内しています。[1]
TÜV SÜDの認証を確認する方法
TÜV SÜDも、認証情報を調べるための公式サービスを提供しています。
テュフズードの証明書検索から、製品認証などの証明書検索へ進めます。
認証機関によって検索先が異なるため、製品に表示された機関名を確認してから調べます。[2]
認証番号と製品の型番を照合することで、その製品がどのような認証を受けているのかを確認できます。
TÜV認証とCEマークの違い
CEマークは、対象となる製品がEUの法令で求められる要求事項に適合していることを示す表示です。

CEマークは、製品の適合性について責任を負うメーカーが表示します。
対象製品によって評価方法が異なり、メーカー自身で適合性を確認する場合と、第三者機関による評価が必要な場合があります。[3]
TÜV認証は、TÜV各社が第三者の立場で製品を試験・評価し、認証を行うものです。
| 項目 | TÜV認証 | CEマーク |
|---|---|---|
| 意味 | TÜV各社による第三者認証 | EU法令への適合を示す表示 |
| 評価の主体 | TÜV各社 | メーカーが責任を負い、製品によって第三者機関も関与 |
| 対象 | 認証制度や評価内容によって異なる | CE表示が求められるEU法令の対象製品 |
| 確認方法 | 認証機関の公式データベースなど | EU適合宣言書や製品情報など |
CEマークとTÜV認証は、それぞれ異なる役割を持っています。
TÜV認証を取得した製品も、EUで販売する際には、適用される法令に従った手続きが必要です。
TÜV認証とGSマークの違い
GSマークは、ドイツの製品安全法に基づく任意の安全認証マークです。
GSは、ドイツ語の「Geprüfte Sicherheit(試験済みの安全性)」を意味します。

GSマークは、正式に認められた第三者認証機関が製品の安全性を審査し、所定の要求事項を満たした製品に使用されます。
ドイツの連邦労働安全衛生研究所(BAuA)も、GSマークを第三者による製品安全認証として説明しています。[4]
TÜVがGSマークの認証を行うこともある
GSマークの認証を行う機関には、TÜV RheinlandやTÜV SÜDなども含まれます。
製品によっては、GSマークとTÜVの機関名が一緒に表示されています。
この場合、GSは安全認証制度を示し、TÜVの名称は認証を行った機関を示しています。
| 項目 | TÜV | GS |
|---|---|---|
| 何を表すか | 試験・認証を行う機関の名称 | ドイツの安全認証マーク |
| 役割 | 規格や基準に基づく試験・評価・認証 | 製品安全法に基づく安全性の確認 |
| 関係 | GSの認証機関になる場合がある | TÜVなどの認証機関が付与する |
GSマークの認証はTÜV以外の認証機関も行っています。
製品にGSマークがある場合は、認証機関の名称も確認すると、どこが安全性を評価したのかが分かります。
TÜV認証はヨーロッパで必須?
EUで販売する製品に必要な手続きは、製品の種類と適用される法令によって決まります。
CEマークの対象製品では、メーカーが法令上の要求事項への適合を確認し、必要な書類を作成してCEマークを表示します。
製品によっては、第三者機関による評価が義務付けられています。[3]
第三者評価が必要な場合もTÜVに限定されない
EUの法令で第三者機関による評価が必要な製品でも、必ずTÜVに依頼する必要はありません。
評価を行う機関は、その製品について正式に認められた第三者機関から選ぶことができます。
EUでは、このような機関を「通知機関(Notified Body)」と呼びます。
通知機関はEU加盟国から指定を受け、法令で認められた範囲の適合性評価を行います。
EUの公式データベース「NANDO」では、法令や製品分野ごとに、評価を担当できる通知機関を検索できます。[5]
TÜV各社も、該当する分野で通知機関として指定されていれば、法令に基づく適合性評価を担当できます。
EUで重要なのは、TÜVという名前ではなく、対象製品に必要な評価を行う資格を持つ機関かどうかです。
TÜV各社による任意の製品認証と、EU法令で求められる適合性評価も、目的と手続きが異なります。
TÜV認証がある製品は日本でも使える?
TÜV認証を取得した海外製品を日本で使用する場合は、日本の法令や電源条件も確認します。
日本では、電気用品安全法の対象となる製品を製造・輸入して販売する際に、法令に定められた手続きやPSEマークなどの表示が必要です。[6]
TÜV認証とPSEマークは、役割が異なります。
| 表示・認証 | 主な役割 |
|---|---|
| TÜV認証 | TÜV各社による第三者認証 |
| CEマーク | EU法令への適合を示す表示 |
| GSマーク | ドイツの任意安全認証 |
| PSEマーク | 日本の電気用品安全法に基づく表示 |
海外製の電気機器を日本で使う際は、製品の仕様についても確認が必要です。
- 入力電圧が日本の電源に対応しているか
- 50Hz・60Hzの対応状況
- 電源プラグの形状
- 製品に指定された安全上の使用条件
TÜV認証は第三者による評価を確認するための情報です。日本での使用については、必要な法令上の対応と製品の電源仕様を確認します。
まとめ
TÜV(テュフ)認証は、TÜV各社が製品などを第三者の立場で試験・評価し、規格や要求事項への適合を確認する認証です。
TÜV Rheinland、TÜV SÜD、TÜV NORDなど、複数の機関が存在します。
認証マークを見るときは、機関名、認証内容、ID番号、製品の型番を確認します。
CE・GSとの違いは次のとおりです。
- TÜV認証:TÜV各社による第三者認証
- CEマーク:EU法令への適合を示す表示
- GSマーク:ドイツの製品安全法に基づく任意認証
EUで第三者評価が必要な場合も、対象製品について正式に認められた機関から選ぶことができます。
製品にTÜVのマークが表示されている場合は、認証機関の公式データベースで、何について認証された製品なのかを確認すると、マークの意味を正確に判断できます。
参考資料
[1]TÜV Rheinland|Certipedia(サーティペディア)
TÜV Rheinlandの認証マーク、ID番号、公式データベースでの認証情報の確認方法を参照。
[2]TÜV SÜD|証明書検索
TÜV SÜDが発行した製品認証などの証明書検索について確認。
[3]European Union|CE marking(CEマーキング)
CEマークの意味、メーカーの責任、第三者機関による評価が必要となる場合を確認。
[4]BAuA|GS-Zeichen(GSマークに関する公式Q&A)
ドイツ製品安全法に基づくGSマークの位置付け、任意認証であること、認証機関の役割を確認。
[5]European Commission|Notified bodies(通知機関)
EUで第三者評価を担当する通知機関の仕組みと、メーカーが認められた機関を選択できることを確認。
[6]経済産業省 関東経済産業局|電気用品安全法
日本の電気用品安全法の対象製品、事業者の義務、PSEマークの表示について確認。