電源アダプターや電気製品のラベルに、
四角の中に、もう一つ四角が入ったマークが付いていることがあります。
この記号は、二重絶縁マークと呼ばれます。
機器の分類としては、クラスII機器を示すマークです。
意味は、アース線で電気を逃がすのではなく、絶縁構造によって感電を防ぐ機器であることです。
そのため、二重絶縁マークがある製品では、アース端子のない2極プラグが使われることがあります。
このマークで分かるのは、主に感電を防ぐための作りの種類です。
次のような内容を示すマークではありません。
- 防水性能
- 耐衝撃性能
- PSEマークなどの安全表示
- 製品全体の故障しにくさ
マークがない製品も、それだけですぐ危険と判断するものではありません。
この記事では、二重絶縁マークの意味、クラスII機器マークとの関係、
アースが不要とされる理由を説明します。
二重絶縁マークとは
二重絶縁マークは、
電気製品や電源アダプターのラベルに表示される四角の中に四角が入った記号です。
この記号は、国際規格IEC 60417で「クラスII機器」を示す図記号として定められており、
記号番号は5172です。[1]

このマークがある製品は、電気が流れる部分と、人が触れる部分の間に、
感電を防ぐための絶縁構造が作られています。
アース線をつなぐ前提の機器ではないため、
アース端子のない2極プラグの製品にも表示されることがあります。
ラベルでは、次のような情報の近くに表示されることがあります。
- 電圧
- 電流
- 周波数
- メーカー名
- PSEマーク
- 注意表示
身近な例では、ACアダプター、ドライヤー、電動工具などで
このマークが表示されることがあります。
二重絶縁マークで分かるのは、感電を防ぐための作りの種類です。
防水、防塵、耐衝撃、故障しにくさをまとめて示すマークではありません。
二重絶縁マークとクラスII機器マークの関係
二重絶縁マークは、機器の分類としてはクラスII機器を示すマークです。
クラスII機器とは、二重絶縁または強化絶縁によって感電を防ぐ構造の機器です。
国際規格IEC 61140では、感電を防ぐための基本的な考え方や、機器の保護構造について定めています。[2]
クラスII機器は、感電防止のためにアース線(保護接地)を接続する必要がありません。
そのため、二重絶縁マークがある製品は、アース線をつなぐことを前提にしない構造になっています。
保護接地とは、故障で金属部分などに電気が流れたときに、アース線を通じて感電の危険を減らす仕組みです。
クラスII機器では、アース線で逃がすのではなく、絶縁によって人が電気に触れないようにしています。
呼び方としては、次のように使われることがあります。
- 二重絶縁マーク
- クラスII機器マーク
- クラスIIマーク
どれも、四角の中に四角が入った記号を指して使われることがあります。
記事や説明書によって呼び方が違っても、基本的には同じマークを指していると考えて問題ありません。
二重絶縁マークがあるとアースは不要なのか
二重絶縁マークがある製品は、感電を防ぐためにアース線をつなぐ前提の機器ではありません。
ただし、2極プラグが付いているだけでクラスII機器と判断することはできません。
製品の二重絶縁マークや取扱説明書を確認します。[3]
たとえば、電源アダプターやドライヤーなどには、2極プラグでも二重絶縁マークが付いている製品があります。
これは、電気が流れる部分と人が触れる部分の間に、絶縁構造が作られているためです。
アース線で電気を逃がすのではなく、電気が人の触れる部分へ届かないようにする考え方です。
一方で、アース端子が付いている製品では、説明書に従って接続します。
製品によって、感電を防ぐ作りが違うためです。
- 二重絶縁マークがある製品:絶縁構造で感電を防ぐ
- アース端子がある製品:故障時に漏れた電気をアース線へ逃がす
二重絶縁マークがあるからといって、自分で分解したり、
コードやプラグを加工したりしてよいわけではありません。
アースが必要かどうかは、製品のマーク、表示、説明書で確認します。
二重絶縁マークが示さないこと
二重絶縁マークは、感電を防ぐための作りの種類を示すマークです。
製品全体の性能を、まとめて示すマークではありません。
このマークだけでは、次のような内容までは判断できません。
- 防水性能があるか
- 防塵性能があるか
- 落としても壊れにくいか
- 屋外で使えるか
- PSEマークなどの安全表示があるか
- 故障しにくい製品か
たとえば、二重絶縁マークがあるACアダプターでも、そのマークは防水性能を示していません。
防水や防塵の性能は、国際規格IEC 60529で定められたIP等級や製品仕様で確認します。[4]
IP等級は、防水や防塵の程度を表す表示です。
IP規格とは?IPX4・IP67の違いと防塵・防水等級の見方をわかりやすく解説
屋外で使えるかどうかも、二重絶縁マークだけでは判断できません。
また、二重絶縁マークはPSEマークの代わりではありません。
- 二重絶縁マーク:感電を防ぐための作りを示す
- PSEマーク:電気用品安全法に関係する表示
- IP等級:防水・防塵の程度を示す
それぞれ見ている内容が違います。
二重絶縁マークがあるからといって、水まわりや屋外で使えるとは判断しないでください。
二重絶縁マークが表示される場所
二重絶縁マークは、電気製品のラベルや本体に表示されています。
よく表示される場所は、次のような部分です。
- 電源アダプターの銘板ラベル
- 電気製品の本体裏面
- 製品底面の定格表示
- 取扱説明書の仕様欄
電源アダプターでは、入力電圧や出力電圧、
PSEマーク、メーカー名、型番などの近くに表示されていることがあります。
マークの形は、四角の中に、もう一つ四角が入った記号です。
製品によっては、文字を使わず、四角が二重になったマークだけで表示されています。
そのため、製品ラベルを見るときは、文字だけでなく、マークの形も確認します。
表示が小さい場合や、印字が薄くなっている場合は、取扱説明書や製品仕様も確認します。
二重絶縁マークと二重絶縁構造の違い
二重絶縁マークは、製品に表示される記号です。
一方で、二重絶縁構造は、感電を防ぐために作られた製品内部の絶縁の仕組みです。
簡単に分けると、次のようになります。
- 二重絶縁マーク:外から確認できる表示
- 二重絶縁構造:内部で感電を防ぐための作り
クラスII機器では、電気が流れる部分と人が触れる部分の間に、
二重絶縁、またはそれと同等の保護性能を持つ強化絶縁を使用します。
二重絶縁の場合は、電気が流れる部品を絶縁材料で覆い、
さらに外側を樹脂ケースで囲むような作りがあります。
マークは、クラスII機器であることを外から分かるようにするための表示です。
内部の作りや、基礎絶縁・付加絶縁・強化絶縁の違いまで知りたい場合は、
「二重絶縁構造とは」の記事で詳しく説明します。
まとめ
二重絶縁マークは、電気製品や電源アダプターに表示される四角の中に四角が入った記号です。
このマークは、機器の分類としてクラスII機器を示すマークです。
意味は、アース線で電気を逃がすのではなく、絶縁構造によって感電を防ぐ機器であることです。
そのため、二重絶縁マークがある製品では、アース端子のない2極プラグが使われることがあります。
一方で、このマークだけでは、次のような内容までは分かりません。
- 防水性能
- 防塵性能
- 耐衝撃性能
- PSEマークなどの安全表示
- 屋外で使えるか
- 故障しにくい製品か
二重絶縁マークは、感電を防ぐための作りの種類を示すマークです。
水まわりや屋外で使えるか、どの電圧で使えるか、PSEマークなどの表示があるかは、
製品ラベル、仕様書、説明書で確認します。
内部の作りまで知りたい場合は、
二重絶縁構造、基礎絶縁、付加絶縁、強化絶縁の違いも確認します。
参考資料
[1]IEC(国際電気標準会議)|IEC 60417 – Graphical symbols for use on equipment
クラスII機器を示す図記号(IEC 60417-5172)の規格情報を確認。
[2]IEC(国際電気標準会議)|IEC 61140:2016 – Protection against electric shock
感電保護の基本原則と保護構造に関する規格を確認。
[3]経済産業省|IECにおける機器の感電保護クラスと付属プラグの形状
クラスII機器の絶縁構造、保護接地の要否、2極プラグとの関係を確認。
[4]IEC(国際電気標準会議)|IEC 60529 – Degrees of protection provided by enclosures(IP Code)
IP等級による防水・防塵性能の分類を確認。