環境・使用条件

IP規格とは?IPX4・IP67の違いと防塵・防水等級の見方をわかりやすく解説

スマホやイヤホン、監視カメラ、LEDライトなどの仕様を見ると、

「IP67」

「IPX4」

「IP54」

こんな表示を見かけることがあります。

でも正直、

「なんとなく防水っぽい」

くらいで見ている人も多いのではないでしょうか。

IP67とIPX4の違いを説明できる人はそれほど多くありません。

数字が大きい方が強そうに見えますし、

IPX4の「X」が何を意味しているのかも分かりにくいですよね。

もうひとつ分かりにくいのが、

防水と書かれている製品でも壊れることがあることです。

例えば、

  • 雨の中で使う
  • キッチンで使う
  • 洗面所で使う
  • 水洗いする
  • 水に落とす

これらはすべて「水が関係する環境」ですが、必要な防水性能は同じではありません。

そのため、

「防水だから大丈夫」

という判断はできません。

実はIP規格は、

機器がどれだけ粉塵や水の侵入に耐えられるかを示す規格です。

IP67やIPX4にも、
実はそれぞれ違う意味があります。

IP67は

  • 防塵性能
  • 防水性能

の両方が評価されています。

一方でIPX4は、

防水性能は分かりますが、防塵性能は分かりません。

つまり、

同じように見えるIP表示でも、読み方によって判断結果が変わるのです。

製品選びで大切なのは、

「数字が大きいか」

ではなく、

「自分が使う環境に合っているか」

です。

まずはIP規格の基本から見ていきましょう。

最後まで読むと、

仕様表に書かれているIP表示を見て、

「この環境なら使える」

「この環境では避けた方がよい」

という判断ができるようになります。


IP規格を見ると何が判断できるのか

IP規格を見ると、
その機器が粉塵や水に対してどこまで保護されているかが分かります。

ただ、
ここで分かるのは規定された条件で確認された防塵性能・防水性能です。

「IP表示があるから壊れない」

という話ではありません。

IPX4なら、
水しぶきがかかるような環境で使えるかどうかの判断材料になります。

一方で、

  • 水の中に落とす
  • 長時間水に浸かる
  • 強い水流が当たる

こうした環境まで対応しているとは読めません。

IP67になると、
防塵性能と防水性能の両方が評価されています。

だからといって、

  • どんな場所でも使える
  • 絶対に故障しない
  • ずっと水の中で使える

という意味でもありません。

見るべきなのは、

IP等級の数字そのものではなく、
自分が使う環境に合っているかどうかです。


IP規格は「防水性能だけ」の表示ではない

IP67やIPX4を見ると、

「防水性能の表示」

という印象を持つ人は少なくありません。

でも、
IP規格は水だけを見る規格ではありません。

IP規格で見るのは、

  • 防塵性能
  • 防水性能

の2つです。

この2つを組み合わせて、
機器の保護性能を表しています。

IP67なら、

  • 6 = 防塵等級
  • 7 = 防水等級

です。

つまり、

「67」というひとつの数字ではなく、
防塵6・防水7として読む必要があります。

ここを知らないと、
表示は見ていても正しく判断できません。


数字が大きければ万能というわけではない

防塵等級も防水等級も、
数字が大きくなるほど保護性能は高くなります。

ただ、

数字が大きい = どんな環境でも使える

とはなりません。

IP67はIPX4より対応できる範囲は広くなります。

それでも、
試験条件を超える環境まで保証されているわけではありません。

一方でIPX4でも、

  • 雨がかかる
  • 水しぶきが飛ぶ

程度の環境なら十分な場合があります。

重要なのは、

どちらが上かではなく、
使いたい環境に合っているかです。


防塵と防水は分けて考える

IP規格でよくある勘違いが、
防塵性能と防水性能をまとめて見てしまうことです。

IPX4の場合、

  • X = 防塵未評価または未指定
  • 4 = 防水等級4

を意味します。

つまり、
水に対する保護性能は読めますが、
粉塵に対する保護性能は読み取れません。

IP67の場合は、

  • 6 = 防塵等級
  • 7 = 防水等級

の両方が分かります。

IP表示を見るときは、

左の数字が防塵、
右の数字が防水です。

この見方を覚えておくと、
IP54やIP65などの表示も自分で読めるようになります。


IPX4とIP67の違いを先に見てみよう

ここまで読むと、

「IPX4とIP67って何が違うんやろ?」

と思うかもしれません。

まずは細かい説明に入る前に、
違いをざっくり見てみましょう。

項目IPX4IP67
防塵性能判断できない防塵等級6
防水性能防水等級4防水等級7
雨・水しぶき
粉塵環境判断できない
一時的な水没×

こうして見ると、
IP67の方が判断できる範囲は広くなります。

防塵性能と防水性能の両方が評価されているため、
判断できる範囲は広くなります。

ただ、

「IP67だから何でも大丈夫」

という話ではありません。

洗面所やキッチンで使う程度なら、
IPX4でも十分な場合があります。

反対に、

  • 粉塵が多い場所
  • 屋外で使う機会が多い場所
  • 水に落とす可能性がある場所

では、
IP67の方が判断しやすくなります。

ここで一度、
IP等級全体を見てみましょう。

防塵等級(第1特性数字)の保護内容一覧(0~6)
防塵等級(第1特性数字)と保護内容の対応一覧
防水等級(第2特性数字)の保護内容一覧(0~8)
防水等級(第2特性数字)と保護内容の対応一覧

この表を見ると、

IP67の「6」と「7」、

IPX4の「4」が、

それぞれ別の意味を持っていることが分かります。

ここからは、
この数字の読み方を見ていきます。


IPX4とは

IPX4は、

  • X = 防塵未評価または未指定
  • 4 = 防水等級4

を意味します。

つまり、

水しぶきに対する保護性能は分かりますが、
防塵性能については読み取れません。

そのため、

  • 雨がかかる
  • 水しぶきが飛ぶ

といった環境については判断できます。

一方で、

  • 粉塵が多い場所
  • 砂ぼこりが舞う場所

で使えるかどうかは、
この表示だけでは分かりません。


IP67とは

IP67は、

  • 6 = 防塵等級6
  • 7 = 防水等級7

を意味します。

防塵性能と防水性能の両方が評価されているため、

  • 粉塵がある環境
  • 雨がかかる環境
  • 一時的に水へ落とす可能性がある環境

などで判断材料になります。

ただし、

IP67 = 完全防水

ではありません。

試験条件には、

  • 水深
  • 時間
  • 水圧

などの条件があります。

そのため、

長時間の水没や、
試験条件を超える環境まで保証する表示ではありません。


このあと見るポイント

ここまでで分かるのは、

IPX4とIP67では、
見ている保護性能の範囲が違うということです。

では、

  • Xはなぜ付いているのか
  • 4や7は何を意味しているのか
  • 防塵等級と防水等級はどう読むのか

次から順番に見ていきましょう。


IPコードの読み方

IPX4やIP67の違いが分かったところで、

次はその表示をどう読むのか確認してみましょう。

IP表示は、
数字が並んでいるだけのように見えます。

しかし、
それぞれの数字には意味があります。

IP54やIP65、IP67、IPX4も、
すべて同じルールで読みます。

見る場所は2つです。

  • 左側の数字
  • 右側の数字

IP表示を見るときは、

左が防塵、
右が防水です。

IP67なら、

  • 6 = 防塵等級
  • 7 = 防水等級

という意味になります。


IP67を読んでみる

IP67は、

  • 6 = 防塵等級6
  • 7 = 防水等級7

です。

防塵等級6は、
粉塵の侵入がないことを示します。

防水等級7は、
一時的な水没に対する保護性能を示します。

IP67を見ると、

粉塵への保護性能と、
一時的な水没への保護性能が分かります。


IP54を読んでみる

IP54の場合は、

  • 5 = 防塵等級5
  • 4 = 防水等級4

です。

防塵性能も防水性能もありますが、
IP67とは等級が異なります。

同じIP表示でも、
数字が変われば意味も変わります。


IPX4を読んでみる

IPX4になると、
少し見方が変わります。

  • X = 防塵未評価または未指定
  • 4 = 防水等級4

です。

ここでよくある勘違いが、

「Xは高性能を意味する」

というものです。

そうではありません。

Xは、

防塵性能が評価されていない、
または表示されていない

ことを示しています。

そのためIPX4では、

防水性能は分かりますが、
防塵性能までは判断できません。


左から順番に見れば読める

IP表示を見るときは、
まず左側を見ます。

こちらが防塵性能です。

次に右側を見ます。

こちらは防水性能を表しています。

この見方を覚えておくと、

  • IP54
  • IP65
  • IP67
  • IPX4

などの表示も、
同じルールで読めるようになります。

では、
左側の数字である防塵等級から見ていきます。


防塵等級とは

IPコードの左側にある数字は、
防塵等級を表しています。

防塵等級とは、

機器の中へ粉塵や固形物がどの程度入りにくいかを示す等級です。

例えば、

  • 砂ぼこり
  • 金属粉
  • 木くず
  • 粉塵

などが機器の内部へ入ると、

  • 動作不良
  • 摩耗
  • 絶縁低下
  • 故障

の原因になることがあります。

そのため、
屋外機器や工場設備だけでなく、

スマホや監視カメラなどでも、
防塵性能は重要な判断材料になります。


なぜ粉塵が問題になるのか

水ほど意識されませんが、
粉塵も機器にとっては大きな敵です。

換気扇を長期間使うと、
内部にホコリがたまります。

パソコンの吸気口にも、
ホコリがたまります。

こうした粉塵が内部へ侵入すると、

  • 冷却性能の低下
  • 可動部の摩耗
  • 接点不良
  • 絶縁性能の低下

などにつながることがあります。

目に見えないから気付きにくいだけで、
粉塵が原因で不具合が起きることもあります。


防塵等級は0〜6で表される

防塵等級は、
0〜6で表されます。

等級が上がるほど、
保護性能も高くなります。

防塵等級(第1特性数字)の保護内容一覧(0~6)
防塵等級(第1特性数字)と保護内容の対応一覧

防塵等級1と防塵等級6では、
保護性能に大きな差があります。

等級6になると、

粉塵の侵入がない状態

として評価されます。

IP67の「6」も、
この防塵等級6を意味しています。


数字が大きいほど安心なのか

基本的には、
数字が大きいほど保護性能は高くなります。

ただし、

数字が大きい方が必ず良い、
という話でもありません。

室内で使用する時計や家電であれば、
極端に高い防塵性能が必要ない場合もあります。

一方で、

  • 工事現場
  • 屋外設備
  • 粉塵が舞う作業場

では、
防塵性能が重要になります。

見るべきなのは、

等級の高さではなく、
使用環境に合っているかどうかです。


Xは防塵性能ゼロではない

IPX4のような表示を見ると、
「Xは0と同じなのかな」

と思うことがあります。

でも、
Xと0は別の意味です。

0は評価された結果の等級です。

Xは評価していない、
または表示していない状態を意味します。

つまりIPX4の場合、
防塵性能が低いと決まっているわけではありません。

防塵性能について、
その表示からは判断できない状態です。

そのため、
粉塵が多い環境で使用する場合は、

Xが付いている製品だけで判断しない方が安全です。


防水等級とは

IPコードの右側にある数字は、
防水等級を表しています。

防水等級とは、
機器の中へ水が侵入しにくい程度を示す等級です。

同じように見える水でも、

  • 水しぶき
  • 散水
  • 水洗い
  • 水没

では条件が大きく異なります。

そこで使われるのが防水等級です。


なぜ水が問題になるのか

機器の内部へ水が入ると、

  • 短絡(ショート)
  • 腐食
  • 絶縁性能の低下
  • 動作不良
  • 故障

などの原因になります。

特に電気製品は、
水との相性が良いとは言えません。

スマホやイヤホンでも、
「少し濡れただけ」

と思っていても、
内部へ水が侵入して故障することがあります。

どの程度の水まで対応できるのかを判断するために、
防水等級が使われています。


防水等級は0〜8で表される

防水等級は、
0〜8で表されます。

数字が大きくなるほど、
対応できる水環境は広くなります。

防水等級(第2特性数字)の保護内容一覧(0~8)
防水等級(第2特性数字)と保護内容の対応一覧

防水等級1は、
垂直に落ちる水滴に対する保護です。

防水等級7になると、
一時的な水没に対する保護性能を示します。

同じ「防水」でも、
対応できる条件には大きな差があります。

IP67の「7」も、
この防水等級7を意味しています。


数字が大きいほど何でも使えるわけではない

防水等級は、
数字が大きいほど保護性能が高くなります。

ただ、

数字が大きい = どんな使い方でも大丈夫
ではありません。

例えば防水等級7は、
規定された条件での水没試験に基づく評価です。

そのため、

  • 長時間の水没
  • 深い場所での使用
  • 高い水圧がかかる環境

まで保証するものではありません。

等級だけを見て判断するのではなく、
どのような条件で評価された等級なのか

も意識する必要があります。


IPX4の「4」はどの程度なのか

IPX4は、
防水等級4を示しています。

防水等級4は、
あらゆる方向からの飛まつに対する保護

です。

例えば、

  • 雨がかかる
  • 水しぶきが飛ぶ
  • キッチンで使用する

といった環境では判断材料になります。

ただし、

  • 水洗い
  • 水没
  • 強い水流

まで対応しているとは読めません。

同じ防水表示でも、
IPX4とIP67では対応できる環境が大きく異なります。


防水と完全防水は同じではない

防水等級を見ると、
「防水だから大丈夫」

と思ってしまうことがあります。

でも、
防水と完全防水は別の話です。

防水等級は、
決められた試験条件で確認された結果です。

防水等級があるからといって、
どんな状況でも水が入らないとは限りません。

防水等級を見るときは、

防水という言葉ではなく、
どの等級なのかを見ることが大切です。


実際にどう判断するのか

ここまでで、

  • IP規格は防塵性能と防水性能を示すこと
  • 左側が防塵等級であること
  • 右側が防水等級であること

が分かりました。

では、
実際に製品を選ぶときはどう考えればよいのでしょうか。

見る順番はシンプルです。

まず、
どこで使うのか

を考えます。

そのあとで、
その環境に対応できるIP等級かどうかを確認します。

IP規格は、
数字の大きさを競うためのものではありません。

使う環境と合っているかを見るための表示です。


雨に濡れる場所で使う場合

雨に濡れる場所で使う機器としては、

  • 屋外監視カメラ
  • センサーライト
  • 屋外用LED照明
  • インターホン

などがあります。

この場合は、
防水性能を確認します。

少なくとも、

IPX4以上

であれば、
あらゆる方向からの飛まつに対する保護性能があります。

雨がかかる環境で使うなら、
まず確認したい等級です。


キッチン・洗面所で使う場合

キッチンや洗面所では、

  • Bluetoothスピーカー
  • タブレット
  • スマートディスプレイ
  • 電動歯ブラシ
  • シェーバー

などが使われます。

こうした場所では、

  • 水しぶき
  • 湯気
  • 濡れた手

による影響を受けます。

通常は水没する環境ではないため、

IPX4程度

がひとつの判断材料になります。

シンクや洗面台へ落とす可能性がある場合は、
もう少し高い防水性能が求められることがあります。


屋外で使う場合

屋外で使う機器としては、

  • 防犯カメラ
  • センサーライト
  • 屋外設置センサー
  • 駐車場照明

などがあります。

屋外では、

  • 砂ぼこり
  • 花粉
  • 粉塵

などの影響を受けます。

そのため、

防水性能だけではなく、
防塵性能も確認する必要があります。

屋外用途なら、

IP54以上

がひとつの目安になります。

工事現場や倉庫など、
粉塵が多い環境で使う場合は、

IP65やIP67

なども候補になります。


水洗いしたい場合

水洗いを想定する機器としては、

  • Bluetoothスピーカー
  • 懐中電灯
  • 作業用ライト

などがあります。

この場合は、
飛まつへの保護性能だけでは判断できません。

IPX4は、
水しぶきに対する保護性能です。

そのため、
水洗いまで対応しているとは読み取れません。

水洗いを前提にするなら、

IPX7やIP67

などが候補になります。

最終的には製品仕様も確認する必要があります。


水に落とす可能性がある場合

水に落とす可能性があるスマートフォンやワイヤレスイヤホン、
アクションカメラなどは、

飛まつへの保護性能では足りません。

一時的な水没に対応しているかどうかを確認します。

IPX7やIP67

が判断材料になります。

IP67だから長時間水中で使用できる、
という意味ではありません。

IP規格は試験条件に基づく評価です。

表示だけで判断せず、
製品仕様もあわせて確認することが大切です。


水が入らないなら粉塵も入らないのでは?

そう思う人は少なくありません。

実際、

「水が入らないなら粉塵も入らないのでは?」

と感じるのは自然なことです。

構造だけを考えれば、
そう考えたくなります。

ただ、

IP規格は
「たぶん大丈夫そう」
で判断する規格ではありません。

防塵性能は防塵試験、
防水性能は防水試験で確認します。

そのため、

防水等級7の試験に合格していても、
防塵試験を実施していなければ、

IP規格としては防塵性能を表示できません。

例えばIPX7の場合、

防水性能は確認されていますが、
防塵性能は表示されていません。

実際には粉塵も入りにくい可能性があります。

IP表示だけを見て判断するなら、
「防塵性能は分からない」

と考える必要があります。

反対にIP67なら、

防塵試験と防水試験の両方を実施し、
それぞれの基準を満たしたことが分かります。

IP67は防塵性能も防水性能も確認済み。

IPX7は防水性能は確認済みだが、防塵性能は表示から判断できない。

という違いです。

製品を選ぶときは、
「おそらく大丈夫」

ではなく、

表示されている等級を判断材料にする方が確実です。


まとめ

IP規格は、
機器がどれだけ粉塵や水の侵入に耐えられるかを示す規格です。

IP表示を見るときは、

  • 左側が防塵等級
  • 右側が防水等級

として読みます。

IP67は防塵性能と防水性能の両方が分かります。

一方でIPX4は、
防水性能は分かりますが、
防塵性能は判断できません。

また、
数字が大きいほど保護性能は高くなります。

ただ、
数字だけを見て選べばよいわけではありません。

雨がかかる場所なのか。

屋外なのか。

水洗いしたいのか。

水に落とす可能性があるのか。

まずは使用環境を考え、
その環境に合ったIP等級かどうかを確認します。

IP規格を見るときは、
「どちらが上か」

ではなく、
「この環境で使えるか」

という視点で判断することが大切です。


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