製品の仕様を見ると、
「IK08」「IK10」といった表示が記載されていることがあります。
一般に「IK規格」と呼ばれるIKコードは、
機器の外郭が外部からの衝撃に対してどの程度の保護性能を持つかを示す等級です。
この記事では、IK規格とは何か、
IK00~IK11の数字が何を意味しているのかを解説します。
IKコードとは
IKコードは、機器の外郭が外部からの機械的な衝撃に対して、
どの程度の保護性能を持つかを示す等級です。
IEC 62262で規定されており、
「IK08」「IK10」のようにIK+2桁の数字で表されます。
数字が大きくなるほど、
より大きな衝撃エネルギーに対する保護等級になります。
IK00~IK11はどれくらいの衝撃?
IKコードは、IK00~IK11の等級に分けられています[1]。
IK01~IK11は、外郭に加える衝撃エネルギー(J:ジュール)に対応しています。
| IKコード | 衝撃エネルギー |
|---|---|
| IK00 | 保護なし |
| IK01 | 0.14 J |
| IK02 | 0.20 J |
| IK03 | 0.35 J |
| IK04 | 0.50 J |
| IK05 | 0.70 J |
| IK06 | 1 J |
| IK07 | 2 J |
| IK08 | 5 J |
| IK09 | 10 J |
| IK10 | 20 J |
| IK11 | 50 J |
J(ジュール)は、衝撃のエネルギー量を表す単位です。
数字だけでは強さをイメージしにくいため、
物を落としたときのエネルギーに置き換えると、おおよそ次のようになります。
- 1 J:約100 gの物を1 mの高さから落としたとき
- 5 J:約500 gの物を1 mの高さから落としたとき
- 10 J:約1 kgの物を1 mの高さから落としたとき
- 20 J:約2 kgの物を1 mの高さから落としたとき
- 50 J:約5 kgの物を1 mの高さから落としたとき
これは衝撃の大きさをイメージするための目安であり、
IKコードの実際の試験条件をそのまま表したものではありません。
実際の試験では、規定された方法で機器の外郭に衝撃を加え、
外郭に必要な保護性能が維持されているかを確認します[2]。
たとえばIK10は、規格で定められた条件で20 Jの衝撃に対する
保護性能を確認した等級です。
実際の落下や衝突では、衝撃の加わる位置や方向などが異なります。
そのため、同じエネルギー量であれば、どのような衝撃でも傷や変形が起こらないという意味ではありません。
IKコードは、規格で定められた試験条件に基づく
外郭の機械的衝撃に対する保護等級として確認します。
IKコードはどこで確認できる?
IKコードは、主に製品の仕様書やデータシート、メーカーの製品仕様欄で確認できます。
表示は「IK08」「IK10」のように記載され、
防塵・防水性能を示すIPコードと並んで表示されることもあります。
たとえば、
- IP65・IK08
- IP66・IK10
のような表記です。
IKコードが記載されていれば、
その製品の外郭がどの等級の機械的衝撃に対する保護性能を持つかを確認できます。
IKコードとIPコードの違い
IKコードと一緒に表示されることが多いのが、
「IP65」「IP67」などのIPコードです。
どちらも機器の外郭に関する保護等級ですが、
示している性能は異なります。
| 表示 | 主に示すもの | 表記例 |
|---|---|---|
| IKコード | 外部からの機械的な衝撃に対する保護 | IK08・IK10 |
| IPコード | 固形物(ほこりなど)や水の侵入に対する保護 | IP65・IP67 |
たとえば「IP66・IK10」と表示されている製品では、
IP66とIK10をそれぞれ別の保護等級として確認します。
IKの数字が高くても、防塵・防水性能が高いことを意味するわけではありません。
同じように、IPの数字が高くても耐衝撃性能までは分かりません。
防塵・防水性能を確認するときはIPコード、
外部からの衝撃に対する保護性能を確認するときはIKコードを見ます。
IKコードだけでは製品全体の耐久性までは分からない
IKコードで確認できるのは、
機器の外郭が外部からの機械的な衝撃に対して持つ保護等級です。
そのため、IK10やIK11など高い等級であっても、
製品全体の耐久性や、あらゆる衝撃に対する強さを示しているわけではありません。
実際の落下や衝突では、衝撃が加わる位置や方向、製品の固定状態などによって、
規格試験とは条件が異なる場合があります。
IKコードを見るときは、規格で定められた条件による外郭の耐衝撃性能を示す等級として確認します。
まとめ
IKコードは、機器の外郭が外部からの機械的な衝撃に対して持つ保護等級です。
IK00~IK11で表され、IK01~IK11は
それぞれ規定された衝撃エネルギーに対応しています。
数字が大きいほど、より大きな衝撃エネルギーに対する保護等級になりますが、
製品全体の耐久性や、あらゆる衝撃への強さを示すものではありません。
製品の耐衝撃性能を確認するときは、
仕様書やデータシートに記載されたIKコードを確認します。
出典・参考資料
[1]IEC 62262:2002+AMD1:2021 CSV
Degrees of protection provided by enclosures for electrical equipment against external mechanical impacts (IK code)
IEC公式
IKコードの定義、IK00~IK11の等級、各等級に対応する衝撃エネルギーの確認に使用。
[2]IEC 60068-2-75:2014+AMD1:2025 CSV
Environmental testing - Part 2-75: Tests - Test Eh: Hammer tests
IEC公式
IKコードに関連する衝撃試験の方法、衝撃エネルギー、試験方向や回数などの条件を確認するために使用。