機器やACアダプターを見ると、
「DC12V」「AC100V」「100-240V」などの
電圧表示があります。
この数値は何を意味するのか。
少しくらい違う電圧でも使えるのか、
高い電圧や低い電圧を使うとどうなるのか。
こうした機器の使用電圧を確認する基準になるのが、
定格電圧です。
定格電圧を確認するときは、
数値だけでなく、
入力側なのか出力側なのか、使用できる電圧範囲はどこまでかも確認する必要があります。
この記事では、
定格電圧の意味と確認方法、
違う電圧を使ったときに起こることを説明します。
定格電圧とは
定格電圧とは、
機器や部品を
決められた条件で使用するために定められた電圧値です。
V(ボルト)は、
電圧を表す単位です。
たとえば、
- DC5V
- DC12V
- AC100V
- AC100-240V
などの形で表示されます。
「DC12V」と表示されている機器なら、
12Vの直流電圧で使用する機器という意味です。
「AC100V」であれば、
100Vの交流電圧で使用する機器という意味です。
ACとDCの違い
ACは交流、
DCは直流を表します。
家庭のコンセントはAC、
USBや多くのACアダプターの出力側はDCが使われています。
そのため、
電圧の数値だけでなく、
ACかDCかもあわせて確認します。
定格電圧はどこで確認する?
定格電圧は、
主に次の場所で確認できます。
- 機器本体のラベル
- ACアダプターや電源のラベル
- 製品の仕様書
- 取扱説明書
表示を見るときは、
どの電圧を示しているのかを確認します。
I/Pは入力側の表示
I/P(Input)は、
電源に入る側の条件を表します。
たとえば、
- I/P:AC100V
- INPUT:AC100-240V
などです。
「AC100-240V」と表示されている場合は、
100Vから240Vまでの入力電圧に対応していることを示します。
O/Pは出力側の表示
O/P(Output)は、
電源から機器へ出る側の条件を表します。
たとえば、
- O/P:DC5V
- OUTPUT:DC12V
などです。
ACアダプターを機器に接続するときは、
機器が必要とする電圧と、電源の出力電圧が合っているかを確認します。
定格電圧と違う電圧を使うとどうなる?
定格電圧と異なる電圧を使うと、
機器が正常に動作しなかったり、
故障につながったりすることがあります。
特に注意したいのは、
- 定格より高い電圧を使う
- 定格より低い電圧を使う
場合です。
定格より高い電圧を使った場合
定格より高い電圧が加わると、
回路や部品に想定以上の負担がかかります。
たとえば、
「DC12V」の機器に
24Vの電源を接続した場合です。
このような状態では、
- 部品の破損
- 異常発熱
- 故障
- 発煙や発火
につながることがあります。
指定された入力電圧範囲を超えて使用してはいけません。
定格より低い電圧を使った場合
定格より低い電圧では、
機器を動かすために必要な電圧が不足します。
たとえば、
「DC12V」の機器に
9Vの電源を接続した場合です。
この場合、
- 電源が入らない
- 動作が不安定になる
- モーターの力が弱くなる
- 機能が正常に働かない
といったことがあります。
低い電圧なら安全に使えるという意味ではありません。
機器に指定された電圧、
または指定された入力電圧範囲で使用します。
「100-240V」のように電圧範囲が指定されている場合
機器やACアダプターには、
「AC100-240V」のように
使用できる電圧が範囲で表示されていることがあります。
この場合は、
100Vから240Vまでの範囲内で使用できます。
たとえば、
- 日本:100V
- 一部の海外地域:220V
- 一部の海外地域:230V
などでも、
入力電圧が100-240Vの範囲内であれば
電圧条件を満たします。
単一の定格電圧とは確認方法が違う
「DC12V」のように
1つの電圧が指定されている場合は、
その指定電圧に合わせます。
一方、
「AC100-240V」のように
範囲が指定されている場合は、
その範囲内に供給電圧が入っているかを確認します。
入力電圧範囲については、
「入力電圧範囲とは」で詳しく説明しています。
電圧が合っていても電流と極性を確認する
ACアダプターなどの電源を流用するときは、
電圧が合っているだけでは判断できません。
あわせて確認するのは、
- 出力電流(A/mA)
- 極性
- プラグの形状
です。
A(アンペア)とmA(ミリアンペア)は、
どちらも電流を表す単位で、
1000mA=1Aです。
出力電流を確認する
たとえば機器が
「DC12V 2A」を必要とする場合は、
12Vだけでなく、
必要な電流を供給できる電源か確認します。
電源の出力電流が不足すると、
- 起動しない
- 動作が不安定になる
- 電源の保護機能が働く
ことがあります。
極性を確認する
DC電源では、
プラス(+)とマイナス(-)の向きを
極性といいます。
丸型のDCプラグでは、
- センタープラス
- センターマイナス
などがあります。
極性が指定と逆の電源を接続すると、
機器の故障につながることがあります。
詳しくは、
「センタープラス・センターマイナスとは?DCプラグの極性と見分け方」
で説明しています。
そのため、電源を流用するときは、
電圧・電流・極性・プラグ形状を確認してから接続します。
AC機器は周波数も確認する
AC(交流)の機器では、
電圧とあわせて周波数も確認します。
周波数はHz(ヘルツ)で表示され、
交流が1秒間に何回繰り返すかを表す値です。
日本の商用電源は地域によって、
- 東日本:50Hz
- 西日本:60Hz
が使われています。
機器に、
- 50Hz
- 60Hz
- 50/60Hz
などの表示がある場合は、
使用する地域の周波数に対応しているか確認します。
50/60Hzなら両方に対応する
「50/60Hz」と表示されている機器は、
50Hzと60Hzのどちらでも使用できます。
一方、50Hzまたは60Hzのどちらか一方だけが
指定されている機器では、
指定された周波数に合わせて使用します。
周波数が合わないと、機器によっては、
- モーターの回転数が変わる
- 動作が不安定になる
- 発熱が増える
- 性能を十分に発揮できない
ことがあります。
詳しくは、
「50Hz・60Hzとは?周波数の違いと確認方法をわかりやすく解説」
で説明しています。
AC機器は、電圧だけでなく周波数の表示も確認します。
定格電圧が合わないときは電源を変更する
機器の定格電圧と
使用する電源の電圧が合わない場合は、
そのまま接続せず、適合する電源を使用します。
たとえば、
- DC12Vの機器に24Vの電源を使わない
- DC12Vの機器に9Vの電源を使わない
- AC100V専用機器を200Vで使わない
といった確認が必要です。
ACアダプターを交換する場合は、
電圧だけでなく、
- 出力電流
- AC/DC
- 極性
- プラグ形状
も確認します。
海外など電源電圧が異なる環境では、
機器の入力電圧範囲を確認し、
必要に応じて変圧器などを使用します。
電圧が合わない場合は、近い数値の電源で代用せず、
機器に指定された条件に合う電源を選びます。
まとめ
定格電圧は、
機器を決められた条件で使うために
設定されている電圧です。
違う電圧を使うと、
- 高すぎる場合は故障や発熱につながる
- 低すぎる場合は起動不良や動作不安定につながる
- AC機器では周波数の確認も必要
- ACアダプターでは電流・極性・プラグ形状も確認する
といった点に注意が必要です。
電源を接続するときは、
機器の定格電圧と、電源の出力電圧が合っているか確認します。
あわせて、
製品に指定された入力電圧範囲や
その他の電源条件も確認して使用します。